人口集中の履歴
仕事や遊びを楽しむ方法は、多くの面白い人と合わなければ身につかない。
クリエイティブの人口集中
たぶん、面白い文化、クリエイティブなアイデアは、同じようにクリエイティブな人たちに接する機会が多くないと頭の中に生まれてこない。
ITの発達で、地球はフラット化するといわれるが、当のITの企業の所在地を調べると、カリフォルニアをはじめ、一部地域に極端に偏っている。
おそらく、ITの仕事をする力を高める上で、自分と同じような仕事をしている優秀な人と、気軽に直接に会うことができることは、非常に有利に働くのだろうと思う。
ルネサンス期、ヨーロッパの芸術家のほとんどがフィレンツェに結集していたことがある。たぶん、芸術家になるために、他の芸術家に会えることは重要だったのだろうと思う。
優秀な芸術家と一緒に働くために、他の芸術家が街に引き寄せられ、それが繰り返されるうちに収穫逓増の原理が働いたのであろうと思う。
おそらく、その街がフィレンツェであったことは偶然だったかもしれない。ただ、ヨーロッパのどこかに芸術家の集まる街ができることは必然だったのであろう。
一般人口の集中
製造業のオートメーション化が進み、さらに、単純な知識労働がコンピュータに肩代わりされるようになれば、これらの産業は、雇用を創出しなくなる。代わって、雇用を生み出すのは、介護、看護、ベビーシッター、マッサージなど、純然たる対人サービス業になるだろう。これらの職業は人口の密集地ほど簡単に顧客を見つけることが出来る。だから、次の時代には、より安定した雇用を求めて人々は大都市に移動する。そして、人口はさらに密集することになる。
フリー化
多くのコンテンツが無料で入手できるようになり、多くのメディア産業、コンテンツ産業は、メディアを通じて入手できる「情報」ではなく、ライブでなければ入手できない「経験」を販売する方向にシフトしてきている。例えば、音楽CDではなくコンサートで収入を確保するとか、本の販売ではなくセミナー等を開催して収入を確保するといったように。で、セミナーやコンサートの収入ってのは、その開催地周辺の人口に左右される。このことは、クリエイターは、人口密集地に住んでいたほうが、収入を確保しやすいということを意味している。
もちろん、人口密集地でなくても「経験」の販売で成功することはありうる。その「ライブ」が、特殊な地理的条件に依存していれば、それは必須ですらある。倉本聰が富良野でやっていることなんかは典型かもしれない。でも、そういうのは例外だと思う。
まとめ
1、面白い生き方をするためには、面白い人と会うことが役に立つ。
2、面白い人は、一箇所に集まって住みたがる。
2、今後、職を求めて、これまで以上に多くの人が人口密集地に集まってくる。
3、面白い人は、人口が集まったところで生きる方が、収入を確保しやすい。
4、だから、たぶん、今後は、世界一の人口密集地に、たくさんの人が集まって、そこに、面白い人がやってきて、面白い人が集まって、僕は、そこに住む方が、楽しく生きられる。と思う。
だから、僕は、今後も東京に住む。