高田のあたりまえノート単語集
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異世界のキャラクターを演じることの履歴

医学目的は、人間の健康、つまり、日常生活の質を向上させること、である。ご存知のように、この「人間」というのは、およそ1~2メートル程度の大きさの行きものである。

また、医学目的である健康のために用いる手段っていうのは、そのほとんどが、やはり、手術にしても薬の内服にしても、あるいは生活習慣の改善にしても、目に見えるサイズの話である。

しかし、この、医学が用いる「手段」が健康という「目的」にどのようにして役に立つのか、という説明は、多くの場合、細胞とか、分子とか、目に見えないくらい小さな登場人物が登場する話になる。これらの登場人物たちは、およそ100万分の1~1000分の1ミリメートル程度の大きさである。

つまり、医学の話っていうのは、
たいてい、

肉眼レベルの話
  ↓
眼に見えないサイズの話
  ↓
肉眼レベルの話

という構成になることが多い。こういう、サイズのことなる物事の間の因果関係の話っていうのは、結構、直感的に理解しにくい話になることが多い。

医学以外の分野、たとえば、経済学などでも、個人の経済活動(たとえば、レストランで食事をするとか)の総計が、国家レベルのマクロ経済にどう関係するのかとか、反対に、国家レベルの話が自分の生活にどう影響するのかっていうのは、直感的にわかりにくい。

この、「サイズの異なる物事の間の因果関係」のわかりにくさっていうのは、医者の説明を聞く患者がわかりにくい印象を持ってしまったり、嘘くさい健康食品の効果説明が説得力を持ってしまったり、そういうことの原因の一つなんじゃないかと思う。

で、普通は、僕たちは、「人間の眼から、そういうミクロサイズの現象を見たら、どう見えるか(そのミクロサイズの現象は、人間にどういう影響を与えるか)」という視点で健康の話を説明するんだけれど、逆に、「ミクロサイズの視点から、人間の日常生活や医療を見たらどう見えるか」を表現すると、ひょっとしたら、そのわかりにくさを軽減する(少なくとも、普通の説明と、わかりにくいポイントが変わる)ことになるんじゃないかと思って、そういうものを書いてみようと思い立ったのが、

以下のブログは、そういうコンテンツを作ってみようと思って実験的に始めた。
ナノポックルたちからの通信

これのツイッターがこちら。@nanopokkur

書いているのは、人間の中に住んでいるコビトという設定。ナノポックルというのは、アイヌの伝説に出てくるコビトの種族、コロポックルからとった。ナノサイズのコロポックルという意味。

人間の体の中で、人間の体の健康のために働きながら、そのかわり体の中のいろいろなものを利用して生活している、という設定。

やり始めてみて、すぐに壁にぶち当たった。異世界の住人(つまり、僕達と同じサイズで同じ世界に住んでいるわけではないキャラクター)が書くブログとかツイッターというのは、書くのがものすごく難しい。

なぜなら、他のブログツイッターに、普通に反応できないんだもの。これが、架空のキャラクターであっても、まんべくんとかちゆ12歳とかみたいに、僕達の世界にすんでいるという設定ならば、他のブログツイッターに普通に反応してもいいんだろうけれど、異世界の住人ならば、それらしく反応しなくちゃいけない。それって、正直、面倒くさいのだ。この世界に生きている人間の一人である、自分がオモシロイと思ったものに、普通に反応したいのだ。

というわけで、面倒になってきた。続かないかもしれない。