検査前確率計算ツールの履歴
診断のために、「検査前確率計算ツール」というのが会ってもいいと思う。
医療機関によって、また診療科によって、どのような疾患の患者がどれくらいの確率でくるのか、というのはかなり異なる。異なるのだけれど、この「検査前確率」というのは、適切な検査や診察を行うためにはかなり重要である。診断は、検査前確率と各検査の感度・特異度に基づいたベイズ推定によっているからである。したがって、「初めて勤務する病院だから、(どのような患者が競うか分からず、結果として)うまく診断や治療ができない」という現象は、多くの医者に起こりうる。
そこで、検査前確率計算ツール、というのはいかがか。
1,電子カルテから、その病院の、その診療科の、過去5年くらいの患者の主訴のリストを取り込む(頭痛が何%、胸痛が何%、発熱が何%、といった具合)。
2,それから、それぞれの患者の最終診断も取り込む。それで、各主訴での各最終診断の確率を計算する。胸痛を訴えた患者のうち、心筋梗塞は何%といった具合。
3,その、主訴ごとに考えられる疾患と確率のリストを、主訴を電子カルテに入力したときに画面に表示してくれるように鳴ったら、結構便利なのではないかな。