Android
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Android(アンドロイド)とは、スマートフォンやタブレットPCなどの携帯情報端末を主なターゲットとして開発されたプラットフォームである。Linuxベースのモバイル用オープンソース・オペレーティングシステム、ミドルウェア、主要なアプリケーションからなるソフトウェアスタック(集合)パッケージで構成されている。2011年現在、スマートフォン用のOSとしては、日本、並びにアメリカでのシェアは1位である。
無償で誰にでも提供されるオープンソースであり、Apache v2ライセンスで配布される。2008年10月からは対応する携帯電話が多数販売されている。
アプリケーションマーケットであるGoogle Play Storeが提供され、2012年6月時点で有料、無料含め60万を超えるアプリケーションが提供されている。
Androidのロゴには緑色のロボットのキャラクターが使われている。このキャラクターには正式名称はなく、ユーザーによって様々な名前で呼ばれている。日本では「ドロイド君」と称されることが多い。
競合するモバイル向けプラットフォームは、マイクロソフトのWindows Phone、アクセンチュアのSymbian OS、クアルコムのBREW、アップルのiOS、リサーチ・イン・モーションのBlackBerry、サムスン電子のBada、IntelのTizenなどがある。
ソフトウェア
カーネルとライブラリー、ランタイムはほとんどがC言語またはC で記述されている。アプリケーションとアプリケーション・フレームワークは、グーグル独自に構築した仮想マシンであるDalvik仮想マシン上の「Java Platform, Standard Edition(Java SE)のサブセット+Android拡張」環境で記述する。
対応CPU
Google が公式サポートしている CPU は ARM (ARMv5以降)、MIPS、x86である。ただし、端末シェアのほぼ全てが ARMv7 が占める。ARM 以外の環境は Android 2.3 から対応した。x86 エミュレータは x86 パソコン上では Intel Hardware Accelerated Execution Manager を使うと高速に動作する。
Dalvik VM
Android用のアプリケーションは、基本的にはDalvik仮想マシン(VM)上で動作する。Android OSは、プレ・インストール・アプリと、後からインストールするアプリを、公平に扱うのが特徴である。Apache HarmonyからSwingやAWTなどの一部のAPIを除去し、UIなどのAPIを追加したライブラリである。 Java CDCのAPIは、全てではないが、概ね含まれている。Sun Javaの互換性テストを通過していない。
Googleから提供されているSDKでは、Javaプラットフォームによるプログラム環境と、C/C による開発がサポートされている。Java言語以外にも、Javaプラットフォーム向けの複数の言語(Scala、Hecl)で書かれたプログラムがDalvik上で動作する。また、.NET Framework互換環境の1つであるMonoもDalvikに対応する計画がある。
開発環境
アプリケーション・ソフトウェア開発用にはAndroid SDK(Software Development Kit)が、ランタイムとライブラリーの開発用にはAndroid NDK(Native Development Kit)が無償提供されている。Android SDK によって、Android携帯電話機とホストPCとをUSBで接続して、アプリケーション・プログラムを携帯電話機上で実行しながらPC上でデバッグすることができる。グーグル社が有償で提供するSIMロックフリーの開発専用携帯電話機や他社の専用の携帯電話機エミュレータでないと、低レベルのランタイムとライブラリーを書き換えることは出来ない。対応しているオペレーティングシステムはLinux(Ubuntu 8.04以降など)、Mac OS X v10.5.8 以降(Intel Mac)、Windows XP 以降である。開発環境には、Eclipseが推奨されている。IntelliJ IDEAなど他の統合開発環境も対応している。
日本語入力
2011年現在、Android OSには標準で日本語入力システム(日本語IME)が搭載されていない。国内で発売されている機種は、iWnn、POBox Touch、ATOKなどがメーカーによって搭載されている。サードパーティー製IMEのインストールが可能なため、日本語IMEが搭載されていない海外向けの機種も、ユーザーがATOK、Google 日本語入力、OpenWnn、Simejiなどを導入することで、日本語入力が可能である。
歴史
2005年にグーグルが、アンディ・ルービンが設立したプラットフォームベンダーである米Android社を買収したことから一時はグーグル社が「gPhone」と呼ばれる独自の携帯電話端末の開発を進めているという憶測が流れた。2007年11月に「Open Handset Alliance」(オープン・ハンドセット・アライアンス、以下OHAと表記)を通じて新規プラットフォームの概要のみが発表される結果となった。
2007年11月5日 携帯電話用ソフトウェアのプラットフォームであるAndroidを、米検索最大手グーグル社、米クアルコム社、独通信キャリアのT-モバイル(T-Mobile International)社などが中心となり設立した規格団体 OHAが発表した。
2008年
9月23日 米T-Mobile USA社は世界初の商用Android搭載端末としてT-Mobile G1を発表した。OHAはソフトウエア開発キット(SDK)の正式版「Android 1.0 SDK, Release 1」を発表した。
OHAはAndroidの全ての動作環境を、2008年中にオープンソースライセンスの1つであるApacheライセンス Ver.2.0の下で公開する方針だとしている。
OHAには上記の企業以外にも、日本のNTTドコモ、KDDI、テレフォニカなどの電気通信事業者や、米モトローラ、韓国サムスン電子、LGエレクトロニクスなどの携帯端末メーカー、米インテル、ブロードコム、NVIDIA、テキサス・インスツルメンツ、Marvellなどの半導体メーカーなど、大手企業が合わせて34社も参加している 。
10月22日 前記の世界初のAndroid搭載スマートフォン、「T-Mobile G1」(HTC製)がT-Mobile USAから全米向けに発売された。同時に、Googleはアプリケーションを販売するためのマーケット「Android Market」を開設した。
12月9日 新たにソフトバンクモバイル、ボーダフォン、東芝、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ、華為技術、エリクソン、オムロン、ASUS、ガーミン、ARMなどの14社がOHAに加わった事が発表された。
2009年
5月19日 日本初のAndroid搭載携帯電話として、NTTドコモ向けにHTC製のdocomo PRO series 「HT-03A」(HTC Magicがベース)が発表、7月10日に発売。
6月24日 ソフトフロント、Android上で双方向VoIP通話に成功を発表[45]。
9月 「Android 1.6 SDK」の提供を開始。
10月23日 HT-03AでAndroid 1.6が提供開始。
11月8日 米ベライゾン・ワイヤレスよりモトローラ製Android 2.0搭載のスマートフォン、「DROID」がアメリカで販売される。
2010年
1月5日 Googleブランドのスマートフォン「Nexus One(HTC製)」発売開始。OSはAndroid 2.1(Eclair)を搭載しており、ハード面では3.7インチ(800×480ピクセル)の有機ELタッチディスプレイ、1GHz CPU搭載のクアルコム製チップセット「Snapdragon」などを搭載している。日本語の表示もサポートしている。
1月21日 NTTドコモとソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが、「XPERIA X10」の日本語版かつドコモブランドのAndroid 1.6搭載スマートフォン、SO-01B(ペットネーム・Xperia)を発表。
3月30日 KDDI(au)がシャープによる日本初のAndroid 1.6搭載スマートブック、IS01(SHI01/NB30)を発表。6月30日発売。
4月1日 NTTドコモが、Android 1.6を搭載したXperia(SO-01B)を発売開始。
4月27日 ソフトバンクモバイルが日本初のAndroid 2.1を搭載したスマートフォン、HTC Desire (X06HT)を発売開始。
9月3日 サムスン電子がAndroid 2.2搭載7インチ液晶タブレット型端末、Galaxy Tabを発表。
東芝、Android 2.2搭載10インチ液晶タブレット型端末、FOLIO 100を発表。
10月1日 ベクターがAndroid用アプリケーションポータルである「AndroApp」を開設。
10月4日 シャープならびにKDDI(au)がAndroid 2.1搭載スマートフォンIS03(SHI03/AS31)を発表、11月26日に発売。
10月5日 NTTドコモよりAndroid 2.2搭載スマートフォンのGalaxy S(SC-02B)とAndroid 2.2搭載タブレット型端末Galaxy Tab(SC-01C)を発表、11月26日に発売。
10月8日 ソフトバンクモバイルがHTC Desire(X06HT/X06HTII)を対象にした日本初のAndroid 2.2のソフトウェアアップデートを開始。
11月25日 NTT東日本より、光iフレームサービスが開始され、Android 2.1搭載のWDPF-701MEとWDPF-701SE の販売とレンタルが開始される。
12月16日 GoogleよりAndroid 2.3搭載のGoogleブランドのスマートフォン、Nexus S(サムスン電子製)がアメリカで発売開始。LGエレクトロニクスがAndroid 2.2搭載のOptimus 2Xを発表。
12月17日 イー・モバイルよりAndroid 2.2.1搭載のHTC Aria (S31HT)が発売開始。
12月25日 日本通信よりHuawei IDEOS U8150をベースにしたAndroid 2.2搭載のIDEOS (BM-SWU300)が発売開始。
2011年
1月5日 モトローラがAndroid 3.0搭載のMotorola Xoom Wi-Fi TBi11M、Android 2.2搭載のMotorola ATRIX 4G、DROID BIONICを発表。ASUSがAndroid 3.0搭載のEee Pad Slider、Eee Pad Transformer、Eee Pad MeMOを発表。ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズがAndroid 2.3搭載のXperia arcを発表。
1月27日 ソニー・コンピュータエンタテインメントがAndroid端末にプレイステーションコンテンツを提供すると発表[55]。
2月28日 KDDI(au)よりAndroid 2.2搭載のHTC EVO WiMAX ISW11HT (HTI11)(HTC製)とAndroid 3.0搭載のMotorola Xoom Wi-Fi TBi11M(モトローラ製)を4月上旬より発売すると発表。
3月31日 NTTドコモよりAndroid 3.0搭載のOptimus Pad L-06Cが発売開始。
4月8日 KDDI(au)よりAndroid 3.0搭載のMotorola Xoom Wi-Fi TBi11Mが発売開始。
4月15日 KDDI(au)よりAndroid 2.2搭載のHTC EVO WiMAX ISW11HT (HTI11)が発売開始。
4月27日 NTTドコモ通信モジュール内蔵のNEC製スマートブックLifeTouch NOTE NA75F/1Aが発売開始。
9月1日 SONYよりAndroid 3.1-3.2を搭載したタブレット端末Sony Tablet SとSony Tablet Pを発表、あわせてNTTドコモより取扱いを表明。
9月8日 NTTドコモより、初のXi(Long Term Evolution)対応タブレット端末、GALAXY Tab 10.1 LTE(SC-01D)(サムスン製)と、Arrows Tab LTE(F-01D)(富士通製)を発表
9月14日 NTTドコモより、Android2.3搭載で、初の「PlayStation Certified」対応スマートフォンXperia PLAY SO-01Dを発表。
9月29日 ソフトバンクモバイルより、世界で初めてAndroid4.0搭載スマートフォン(ただし、当時は次期プラットフォーム搭載と表現された)としてAQUOS PHONE 104SHを発表。
10月19日 世界で初めて発売されるAndroid 4.0搭載端末「Galaxy Nexus」(サムスン製)をGoogleとサムスン共同で発表。同日NTTドコモからもGALAXY NEXUS SC-04Dとして11月に発売することを発表。日本での実際の発売日は12月2日。
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