ブーテキの履歴
プロ野球、セ・リーグの横浜ベイスターズが本拠地に置く横浜スタジアム。
その横浜スタジアムの外野席で観戦していると、応援団のラッパ音に混じって、どこからともなくこんな音色が聞こえてくる。(※1)
「ブ~ブブ~ブ~ブ~ブブッ♪」
「ブ~ブブ~ブ~ブ~ブブッ♪」
屁ではない。
メガホンを叩く手を止め辺りを見回すと、見慣れない笛を咥えたおじさんが、笛を吹きながらスタンド内を歩き回っている。
そしてやがてそのおじさんは、謎の音色と共にどこかへ消えて行く。
ブーテキおじさん
その笛の人を、ブーテキおじさんと名付けた。後々調べてみると、やはり「ブーテキおじさん」と皆からは呼ばれているらしい。
そりゃそうだ。例えば「屁のおじさん」だと明らかに失礼すぎるし、「屁 is おじさん」いやいやおじさんは屁ではない。
ブーテキおじさんは何故人々の印象に残るのか?
ブーテキおじさんの営業スタイルは実に興味深い
「ブ~ブブ~ブ~ブ~ブブッ♪」スタスタスタ・・・
「ブ~ブブ~ブ~ブ~ブブッ♪」スタスタスタ・・・
「ブ~ブブ~ブ~ブ~ブブッ♪」スタスタスタ・・・
「ブ~ブブ~ブ~ブ~ブブッ♪」スタスタスタ・・・
ブーテキおじさんは、自分が何者であるのか、そもそも売り子なのかどうなのか、何を売っているのか、これが何なのか、幾らなのか。営業活動は一切行わない。「ビ~ルいかぁ~っすかぁ~」
「お弁当にアイス~・・・」生温いったらありゃしない。
ブテーキおじさんは客に迎合しないのだ。「あいつは一体何者なんだ」そのミステリーが人々の意識に残る。
ひたすらブーテキを吹き続ける何故ならそれが、ブーテキを売る1番の方法だと分かっているからだ(※2)
※1
他の球場にも出没するらしい。
※2
買っている人は見た事がない。