店は誰のためにあるのか
店は誰のためにあるのか?
「店は客のためにある」これは商業界を作った倉本長治先生の言葉だ。これを理念にしてペガサスクラブ 渥美俊一先生のチェーンストアー理論を骨子に、戦後の日本商業界は発展してきたと言っても過言ではない。「店は客のためにある」という言葉は商人にとっての倫理観を正す言葉である。しかし、倫理とは人類が生き残るために便利な考え方であり、人類の進歩や環境条件の変化にともない、倫理観も変わってくる。
かって資源に恵まれない日本では長い間、節約は美徳として教育されてきたが、戦後の高度成長気になると一変し、消費こそ経済発展に貢献する美徳という主張が時代の流れになり、それまでの日本人とは別人のような消費に奔走した。そして、ケニアの環境大臣の「モッタイナイ」発言に目覚め、再び浪費を抑える生き方に戻り始めた。今度は、またまたアベノミックスでもう一度 消費を刺激しはじめている。しかし、消費は美徳と再びいくのであろうか?
このように人間はその時代の幸せに暮らしていくために、その社会の求める倫理を作り出してきた。いま、グローバルな社会や経済の視点で商業を考えるのなら、環境問題や資源獲得競争、貧富の格差などを念頭においた倫理観が求められるはずである。有限の地球で無限の経済発展はあり得ない。
そんな時代だからこそ経済活動をおこなう企業にとって企業倫理、理念は重要な役割を果たすのである。こう考えると「店は客のためにある」のではなく「店は世の中のためにある」という考え方が上位概念になる。世の中とは、お客様、関係先、そこで働く人である。働く人が笑顔にならない企業の存続はあり得ない。
昨年から社長の交代が活発である。昨年はイトーヨーカ堂、そして
1月5日イオンリテール、ダイエー、イオンモールの社長が交代した。新社長に期待を込めて「店は誰のためにあるのか」を問いたい。同じく安倍総理にも問いたい。「政治は誰のためにある」のか、いまが正念場である。
笑顔なき企業は消え、理念なき国は亡びる。
追伸
新社長に提言
社員を笑顔にするには、まずは自分の笑顔の写真を撮るべきです。トップに立つ人は、見た人が元気になる表情をつくるべきです。わからない場合は無料でレッスンします。お店は舞台、エンターテイメントの時代ですよ。
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