和を以って貴しとなすの履歴


要約:「和を以って貴しとなす」というのはみなで仲良くしましょうという意味ではなく、議論し合うことで正しい道が開かれるという意味である。あと、かわいい娘が出てる動画は自然と見てしまう。



1条

和(やわらぎ)を以(もち)て貴(たふと)しと為し(なし)、忤(さか)ふること無きを宗とせよ

人は派閥や党派などを作りやすい。そうなると偏った、かたくなな見方にこだわって、他と対立を深める結果になる。そのことを戒めているのだ

それを避けて、人々が互いに和らぎ睦まじく話し合いができれば、そこで得た合意は、おのづから道理にかない、何でも成しとげられる、というのだ

ただ「仲良く」ということではなく、道理を正しく見出すために党派、派閥的なこだわりを捨てよ、と教えているのだ。


17条

「重大なことがらはひとりで決定してはならない。必ず多くの人々とともに議論すべきである。(重大なことがらは)多くの人々と共に論じ、是非を検討してゆくならば、その結論は道理にかなうものになろう。…」

このように重大事の決定に独断を避け、人々と議論するにしても、各人が党派や派閥的な見方にこだわっていては、対立が深まるばかりで道理には到達できない。

議論をウヤムヤにして表面上の一致のみを求めるいわゆる「空気の支配」や同庁圧力に対しては、最も批判的な立場が示されているのだ。

な卓れた人物であっても、完全無欠ということはあり得ないと洞察していたからだ。


10条

「人が自分の意見と違うからといって、怒ってはならない。人にはみな心があり、心があればそれぞれ正しいと思う考えがある。自分は聖人ではなく、相手が愚人でもない。共に凡人なのである。それゆえ相手が怒ったら、省みて自分の過失を恐れよ。…」


派閥的こだわりを捨てるにはどうすればよいのか、道理にかなった結論を導くのは何のためにするのか。

15条

「私の利益に背いて公のために尽くすのが臣下たる者の勤めだ。およそ人に私心があれば必ず自他に恨みの感情が生まれる。恨みがあれば心からの協調ができない。協調ができなければ結局、私的な事情で公務の遂行を妨げることになる。…」

公共の利益こそその目的ということになる。
そして派閥的なこだわりを捨てるためには、まず私心を去る必要があるというのだ。


まとめ

完全無欠にほど遠い人間が公共の利益を実現するためには、派閥的なこだわりを捨てた公正な議論が欠かせず、そのためには各自が私心を去らねばならない。