東海道新幹線サービス運動
東海道新幹線の車内改札がなくなった。
(車内改札とは、車掌が乗車されたお客様一人ひとりのチケットを確認する業務のこと。)
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東海道新幹線の出会いは2004年、新幹線開業40周年を迎えた年でした。きっかけは、JR東海のブランド戦略の一環として進めた、ブランドクオリティサービス運動です。10年ほど継続指導してきました。
今まで東海道新幹線と言えば「安全」「正確」「高頻度」「高速」といったハードな輸送イメージが強くありました。しかし、これだけではお客様は満足できなくなりました。そこで、第5番目の柱として「接客サービス」を加え、その中心として笑顔戦略を組みました。
JR東海の理念は、「お客様から愛され、親しまれ、信頼される・・」その理念の具現化の為に、門川式笑顔づくりが導入されました。
具体的な実行項目は
1、「アイコンタクトと笑顔」運動
2、改札での一対多数の対応
3、窓口での一対一の接客サービス
4、車内では手間ひま惜しまず、一人一人のお客様に声をかける
5、車内コミュニケーションのしやすい歩き方
6、お客様の目線にたった整理整頓、カスト-ディアル運動
7、「見られている」という意識改革成功事例をどんどん発信「ブランド通信」
8、成功事例をドラマ化映像化。は現役の車掌。
当時社長であった松本正之社長(後にNHK社長)の写真もとびきりの笑顔になり、運動を側面から支援してくれました。
その結果が添付した表。お客様の東海道新幹線における接客サービスが飛躍的なイメージアップを図りました。
車内改札は、N700だと1323人乗りを3人の車掌とパーサーで接客対応は過酷な仕事です。当初から廃止論がありましたが、お客様に直接コミュニケーションをとる中で、より安心して快適に移動時間を過ごして欲しい。こだわりのサービス運動でした。車掌のサービスレベルの差はありましたが、サービス意識改革の柱でした。
お子様には新幹線オリジナルノベルティをプレゼントしたり、乗り換えを質問された方には小さな時刻表を差し上げました。マニュアルを超えたいろんな工夫が生まれました。
そして、この運動の最大の効用は、アイコンタクトと笑顔のチカラで、危険物の持ち込み牽制やテロ対策にも繋がって来たと確信しています。事件事故は、自由席でおこる率が高いのは、車内改札がないからだと思います。自由と放ったらかしは違います。
コミュニケーションは、合理化しない。手間ひま惜しまず・・・
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昨日、車内改札のない東海道新幹線にのりました。今までの車内改札を超えるサービスを感じませんでした。効率化した時間を有効に生かし、お客様の期待を超えて欲しいと願います。
新たなブランドクオリティの構築を急げ!
頑張れ東海道新幹線。いまこそ日本ブランドのリーダーたれ!
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