作業効率より見た目を優先
笑顔の楽校 31
ケース 12 洋食レストラン
感じのいい接客、チームワーク、フットワーク、おいしさのライブ感……近所にあったら家族で通ってしまいそうなお店。でももっともっと、よくなりますよ!
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入り口のガラス越しに見えるキッチンではシェフがきびきびと調理、レジでは女性スタッフがアイコンタクトと笑顔で爽やかに温かく応対……。明るく、おいしそうな雰囲気に引き込まれ、入店してみました。
席への案内、オーダーの際も自然な笑顔がとても感じがいい。しばらく店内を観察すると、このお店の長所が見えてきました。
◎ お客様とのコミュニケーション
小さなお子さんへのさりげない言葉、お料理をテーブルに置くときにも必ずひと言かけています。気遣いが感じられると同時に、お客様に自ら近づいていく姿勢がとてもよいと思います。
◎おいしさがダイレクトに伝わってくる
オープンキッチンのほうから肉を叩く音やおいしそうな香りが……。このライブ感、アットホームな雰囲気がいいですね。
最近のファミレスは安さ、効率最優先で料理は工場製、厨房には包丁もまな板もなく、ファストフード化しています。手作りのこだわりがライブで伝わってくるのは演出的にもgoodです。
◎チームワークがよい
厨房4人、ホール2人と少ないスタッフですが、フォローし合い、声を掛け合って、フットワークもよく、お客様をお待たせしません。しかも、みんないい表情。これもおいしさを醸し出す要素です。
「お客様から見られている」という視点ですみずみチェックしてみる
…と、満点に近いように見えるのですが、惜しい点もあります。お客様からの視点という意識がやや弱いのです。
たとえば、通路側の大きなガラスが湯気と油で少々曇っています。油を使うお店の宿命ですね。ここはまだきれいにしているほうですが、あとひと踏ん張り、ピカピカにしてほしい。せっかく外から見られるようにガラス張りにしているのですから。
店内のテーブルクロスやイスは、油でベトベトしませんでしたから、基本的なお掃除は行き届いていると思います。でも通路側のガラスの曇りに気づいていないということは、まだまだ「お客様の視点」に立てていない証拠です。
おそうじ計画を立て、週に1度(少なくても月に2度)「クリーンディ」をもうけ、全員で大そうじしましょう。作業マニュアルも整備したほうがいいです。
見られていることを意識して、おいしい笑顔をもっと積極的に見せていくのです。この店の長所を伸ばし、もっとライブ感やエンターテイメント性を主張しましょう。
人柄、味、チームワーク、3拍子揃っているこのお店のスタッフなら必ずできます!
【コミュニケーションUPのポイント】
1 厨房スタッフのお声かけ
このお店は厨房スタッフも席にお料理を運び接客しています。この時に「私が調理しました。ゆっくりお召し上がりください」や、あとで「味はいかがでしたか?」などひと言があればもっと素晴らしいです。
2 通路3mのお客様へのお声かけ
通路のメニューを見ているお客様へもお声かけしましょう。効果絶大ですよ。
3 お客様からの「見た目」を意識する
便利だからと、お客様の視界内にいろんなものを置いてしまうのは減点。作業効率よりも「見た目」を優先させましょう。
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