ガンダムの履歴
定義
富野由悠季監督によるアニメ、「機動戦士ガンダム」(いわゆるファーストガンダム)と、その続編、スピンアウト作品、および類似の世界観を持つ作品、外伝、類似品の総称。
あるいは、それら各作品に登場する主役級モビルスーツのこと。大抵、主役になる少年がパイロットとなる、大抵は一機のみ生産される特注品(あるいは、試作品)であり、量産されない。
ファーストガンダム論争、あるいは宇宙世紀論争
いわゆるリアルロボット作品の最初のものであったが、後期の作品になると、徐々に、リアルロボット作品的な要素がなくなり、見栄えの良いキャラクターや多様な武器やモビルスーツを登場させるスーパーロボット作品に変化していく。
そのため、古参のファン(ガンオタ)の中には、ガンダムの名前を冠する作品の中で、特にリアルロボット的な要素の強い、「宇宙世紀モノ」を別格とする(あるいは、それ以外をガンダム作品と認めない)意見がある。特にストイックな古参のガンオタには、宇宙世紀の最初の作品であるファーストガンダムのみを別格とする意見が強い。中には、ファーストガンダム以外をガンダムと認めないため、「ファースト」ガンダムとわざわざいう必要すら感じないという人もいる。
僕自身は、「宇宙世紀モノ(機動戦士ガンダム、Zガンダム、ダブルZガンダム、Vガンダム)」と「正歴モノ(ターンエーガンダム)」を、特にガンダムらしいガンダムとみなす立場である。
頻繁に見られる設定
それ以外のガンダム作品も含む、多くの作品に共通する設定としては、以下のようなものがある(ただし、未来世紀モノと正歴モノは、下記の設定と全く異なる)。
戦争の背景
ガンダム系の作品の多くは、要するに戦争の話であり、その多くは宇宙に住んでいる宇宙移民と地球の政府との戦争である。
この戦争は、大抵、以下のような背景でおこる。
- 宇宙開発が進み、人類が宇宙に居住できるスペースコロニー(多くは、地球の周回軌道にある人工衛星である)が建設できるようになった未来が舞台。
- その時代には、世界人口が増加し、地球に住みきれない人々が、スペースコロニーに居住する「宇宙移民」になっている。
- 「宇宙移民」は、居住環境が地球と異なるため、しばしば、地球に住み続ける人たちと異なる思想や生活習慣を持つようになっている(「住む環境が人間の考え方を作る」というのは、富野氏の基本的な思想のようである)。
- 地球にある多くの国が参加する連邦政府(緩やかな国家連合なのか強力な統一政府なのかは作品によって異なる)が作られている。
- しかし、地球の連邦政府は、これまでのレガシーな政治システムを引きずっていたり、しばしば腐敗している。そのため、政策に「宇宙移民」の民意を反映しない。また、しばしば、地球の政府は、地球人と異なる生活習慣や思想を持つ「宇宙移民」を差別する。
- 地球の政府に不満をいだいた「宇宙移民」は、宇宙移民の自治政府をつくろうとして、独立戦争を起こす。
- 作品の一部では、独立戦争を起こす宇宙の自治政府は、独裁的な指導者が支配する独裁政権であり、必ずしも宇宙移民全体の支持を得られているわけではない。
主人公の立場
- 多くの作品では、主人公は普通の少年であり軍人ではない。精神的にも子供っぽく、肉体的にも特にたくましいわけではない。
- なぜか多くの作品では、主人公は「機械好き」であり、簡単なロボットなどを作ったり機械の修理ができたりする。
- 主人公の住んでいる街が突然戦場になり、避難している少年が、混乱の中、偶然、試作品のロボット兵器(や、それに類するもの)を触ってしまう、という形で、主人公は戦争に巻き込まれる。主人公は、やむを得ず、地球側か宇宙側のいずれかの軍隊に同行することになる。
- 話の進行と共に、主人公は、モビルスーツのパイロットとしての特異な才能を持っていることが分かってくる。その才能のため、主人公は、軍隊からより強く必要とされるようになる。
- しかし、話の進行と共に、主人公は、戦争の悲惨さを見ることとなり、より戦争が嫌いになり、悩むようになる。