取引コストの定理の履歴
社会や組織の規模・収益、個人の年収を決定する定理である。1937年、ロナルド・コース(1910-、1991年ノーベル経済学賞受賞)が「取引コスト(取引費用)」の概念を提唱した。
社会・組織の境界線を決定する。
内部取引コストと外部取引コストの均衡が内部と外部の境界線、つまり社会や組織のサイズを決定する。不均衡が生じた場合、内外取引コストが均衡になるよう、調整が入る。
内部取引コスト<外部取引コストの場合
- 社会・組織は拡大余地がある。外部と取引するよりも内部で取引するほうがコストが低くより生産性が高い。
- ゲマインシャフト(社会)の場合、均衡に向かうよう自律的に調整され、結果的に社会が拡大する。
- ゲゼルシャフト(組織など)では、拡大するかどうかは組織の意思決定によるので、必ずしも組織が拡大するとは限らない。
内部取引コスト>外部取引コストの場合
- 社会・組織は内外取引コストの均衡に達するまで縮小する。リストラクチャリングし内部の無駄を排除しない限り、閉塞に陥る。