物語の履歴
私の結論
ビジネスシーンにおいて、21世紀に求められる最重要要素の一つが物語性である。この結論に至ったのは、複数の識者の提言に寄る。
取引コストの定理により、グローバル化の結果、製品の価格は世界統一価格へと収斂していく。これが日本のデフレ圧力の原因の一つである。少子化・財政赤字というハンディキャップを背負いながら、日本・日本人が成長をしていくには、日本人の感性、物語力を高めていくしかない。
識者の提言
ダニエル・ピンク「ハイ・コンセプト」
ハイ・コンセプトで述べている6つの感性のうちの1つである。
事実というのは、誰にでも瞬時にアクセスできるようになると、一つ一つの事実の価値は低くなってしまうものだ。そこで、それらの事実を「文脈」に取り入れ、「感情的インパクト」を相手に伝える能力が、ますます重要になってくるのだ。
出典:ハイ・コンセプト
遠藤功、プレミアム・ブランド
遠藤功が著書「プレミアム戦略」で、プレミアム・ブランドの前提条件として、物語性を挙げている。
田坂広志
複数の著書、「 経営者が語るべき「言霊」とは何か」や「ネクスト・マネジメント」で、人々に共鳴する言霊、物語性を挙げている。
奥山清行
指名買いされる商品は、バックグラウンドとしてのストーリーも合わせて、1つのブランドになっていると言える。
出典『人生を決めた15分 創造の1/10000 』奥山清行 著
奥出直人
魔法のシナリオを書くということは顧客を語るということである。またシナリオの中で技術設計していることも重要である。技術の言葉で設計していたのでは、「顧客志向」と言っても、結局は顧客の顔が見えていないことも多かった。だが、魔法のシナリオでは、シナリオの中で顧客の経験を体感しながら設計ができる。
出典:『デザイン思考の道具箱』奥出 直人 (著)
関連ワード
- シナリオ・ライティング
- EQ
- 経験価値マーケティング(バーンド・H. シュミット)
- ハイ・コンセプト(ダニエル・ピンク)
- プレミアム戦略(遠藤功)
- 田坂広志
- サービスマネジメント
- パーソナル
事例
テキサス・バーガー
テキサス・バーガーやユニクロには「物語」がある。
- 「消費は時代遅れ」という物語を、楽しく消費している私たち
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20100122/212369/
- テキサスバーガー、物語、経験価値マーケティング
週刊東洋経済で特集が組まれた
週刊 東洋経済 2011年 1/8号 [雑誌]
取上げられた事例
- サンリオ
- 仮面ライダー
- ネスプレッソ
- クックパッド
- あきんどスシロー
- 山崎製パン
- AZスーパーセンター
- 鹿島アントラーズ
- 品川女学院
- 三洋堂書店
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その他有名な事例
- ディズニーランド
- リッツカールトン
- ナイキ
- ユニクロ
アンチパターン
週刊東洋経済 2011年1月8日号で「誤解類型」として取上げられている。これらからは「物語」は生まれない。
- アクションリスト
- ベストプラクティス
- シミュレーション
- テンプレート
編集履歴
- 2012.01.28 奥出直人追加
- 2011.01.20 東洋経済追加。事例整理、アンチパターン追加。
- 2010.12.31 識者の提言として、遠藤功、田坂広志を追加。ほか整理整頓
- 2010.01.27 初稿