リテラシーの履歴

リテラシー(識字率)

「読み書き能力」のこと。通常は「言語の」読み書き能力だが、言語以外にも転用され、「メディアリテラシー」、「ITリテラシー」という使い方もある。
そして現在(2010年)、「ソーシャルメディアリテラシー」が必要となってきている。

識字率の低さが貧困の原因

識字率の低さが貧困の原因である。現在でも南アジアやアフリカの識字率は低い。

  • インド 66%
  • ネパール 56.5%
  • パキスタン 54.%
  • バングラデッシュ 53.5
  • エチオピア 35.9%
  • ギニア 29.5%
  • ニジェール 28.7%
  • マリ 27.2%

識字率の男女格差がテロリズムの原因

出典を忘れてしまったが、男子の識字率に対し女子の識字率が極端に低いと、国民の攻撃性が増すと言われる。男子の攻撃的本能と女子の家庭を守る本能、この二つがバランスを欠き、社会全体が攻撃的になる。

イスラム諸国の過激派勢力というのは、イスラム教自体が過激思想を内在させていることが原因ではない。貧困による男女識字率の差が、彼らを過激な行動へと向かわせている。

  • アフガニスタン 男性51.0% 女性20.8% 男女差30.2%
  • イラク 男性84.1% 女性60.2% 男女差23.9%
  • インド 男性69.0% 女性46.4% 男女差22.6%


貧困を克服し、テロリズムを抑止するには、識字率の向上、特に女子の識字率の向上が必要である。

貧困克服・暴力抑止・民主化

「学問のすゝめ」にあるとおり、識字率の低い国では民主主義は成り立たない。読み書きができなければ、政治のあり方を議論することすらできない。

以上、貧困の克服、暴力抑止、民主主義確立には、識字率向上は絶対必須である。そう考えると、イラクはともかく、アフガニスタンに政情安定化にはまだ時間がかかる。

日本の識字率

幕末~明治初期

八鍬友広の推計によると明治10年の識字率は40%である。これは滋賀県が行った調査からの推計で、自署できる者のうち,多少なりとも実用的な読み書きが可能であった者としている(Wikipediaの「識字」を参照)

また、杉浦日向子によると、江戸時代末期の江戸の識字率はほぼ100%である。

幕末~明治初期の識字率の男女格差

はっきりと証拠文献があるわけではない。以下は推測である。

江戸時代は儒教思想を取り入れたため、それ以前の戦国時代以前よりも男尊女卑が激しくなったと言われる。当然、幕末においても、下級武士階級や農民階級では、識字率の男女格差があったはずである。幕末の殺伐とした雰囲気は、識字率の男女格差が原因かもしれない。

坂本龍馬は女子家庭に育ったため、過激行動派とは一線を画したと思われる。

識字率の高さが日本を守った

幕末、日本の識字率は世界最高だった。先進国イギリスよりも識字率が高かった。日本の識字率の高さに驚かされた西洋列強は、日本の植民地を断念したと言われる。

現在

99.8%である。(UNESCO 2002年)

中国と韓国

明治時代、明らかに日本より識字率が低かった。

中国

中国では、第二次世界大戦後、簡体字を導入することにより始めて識字率が向上した。

韓国

韓国(李氏朝鮮)では、「学問のすゝめ」に触発されてハングルを導入、識字率が向上した。
Wikipediaの「福澤諭吉」「ハングル」「井上角五郎」による。

未成熟な民主主義

日本人が未だ両国民の稚拙さ・愚かさを感じざるを得ない原因は、両国民が識字率ほぼ100%に達してまだ日が浅いからである。

インターネット黎明期

インターネットに限らず、新テクノロジーに興味を抱き飛びつくのは圧倒的に男性が多い。インターネットの黎明期、インターネットユーザは圧倒的に男性が多かった。

  • 1990年代のインターネット、その名残の2ch ユーザ数:男>女
  • 2000年代以降立ち上がった領域:Mixiなど ユーザ数:男≒女、後に、男<女


インターネット黎明期は攻撃的・過激的な内容が多かったが、女性ユーザの増加・男女比均衡により、現在豊な言論空間ができていると言えるのではないだろうか。

参考情報

編集履歴

  • 2010.09.23 整理・整頓、中国と韓国を追記
  • 2010.07.13 マイナー修正
  • 2010.07.03 初稿