頻度依存行動の履歴
「赤信号、みんなで渡れば恐くない」というギャグに代表される行動。ある行動をするかどうかが、その行動を取っている人がほかにどれほどいるかに依存している場合、その行動を頻度依存行動と呼ぶ。
出典:『心でっかちな日本人』山岸俊男著
頻度依存行動の例
世の中で私達が実際に行ったり目にしたりする行動のほとんどは頻度依存行動である。
- いじめ
- 流行
- 人気大学・人気企業・人気居住地域
- 交際相手・結婚相手
経済学での戦略的補完性
- パソコンのOS
- ビデオデッキの方式
- 日本的雇用関係(新卒一括採用・終身雇用)
文化
「文化」とは、その民族の精神的に普遍的な概念ではなく、頻度依存行動の結果である。
文化とは、相互依存的な実践活動の総体である
文化とは、私たちが私たち自身の行動によって生み出している相補均衡。集団主義的行動をとる人々の減少は限界質量を超えて、加速度的な変化を生み出す可能性がある。
出典:『心でっかちな日本人』山岸俊男著
関連キーワード
相補均衡(=ナッシュ均衡)
そこにかかわっているすべての人間にとって「純利益」がプラスになっている状態。「いじめ」の例では、クラスにいじめが存在していれば、いじめに加担することが、自分もいじめられるという損失を被らない(純利益がプラスの)状態になる。逆にクラスにいじめが存在していなければ、その状態を保持することが純利益がプラスの状態になる。
囚人のジレンマ
全体最適とのならない相補均衡を取り扱う問題が、囚人のジレンマである。
限界質量
相補均衡状態が複数ある状態。いじめ問題の場合、ほぼ全員がいじめに加担するか、いじめがない状態の二つの相補均衡状態が存在する。ティッピング・ポイント。
編集履歴
- 2011.02.13 例、文化、相補均衡、限界質量について追記
- 2010.12.22 初稿