認識の履歴
認識とは
人間の神経は、事実・世界を観測しているわけではない。フィルターを通して認識する。フィルターは個人によって異なるため、必ずしも自身の認識が他者と一致しているわけではない。
参考書籍:『生物から見た世界』
1930年代の本。岩波文庫から出ている。盲目のノミは世界をどのように観測しているのか、なぜ蜘蛛は雲の糸に引っかかるのか?
答えは、ノミは嗅覚で動物の存在を察知し、取りつく。蝶などの昆虫の目は小さい。解像度は視神経の数に比例する。つまり目のサイズ、レンズのサイズに比例する。蝶の目は解像度が低すぎて蜘蛛の糸は見えない。
認識ズレは生産性を阻害し損害を与える
- 認識がズレたままディスカッション・議論は、不毛・徒労になり、生産性を著しく阻害するばかりか、結果的に価値のないものを生産してしまい、損害を被ることになる。
- 認識がズレたままの議論を空中戦、水掛け論と呼ぶ。
認識ズレ防止(ビジネスシーン)
- ビジネスシーンにおいては、認識合わせ・合意形成が必要不可欠。
- チームワーク、アジャイル開発には欠かせない。(「インセプションデッキ」参照)
- ビジネスシーンで「わたしの認識では」と言ってはいけない。「使ってはいけない言葉」
歴史認識問題
「歴史」と「問題」の間に「認識」が入っているとおり、「歴史」の問題といよりも「認識」の問題。蝶を例にとれば、議論の相手は蜘蛛の糸が見えていないのかもしれない。蝶に蜘蛛の糸の存在を知らしめることは不可能であるように、ある事実を認識できていない人に認識させるのは骨が折れる。
ゆえに歴史認識問題は空中戦、水掛け論になり、終結する見込みが低い。