ワークショップの履歴
講義など一方的な知識伝達のスタイルではなく、参加者が自ら参加・体験して共同で何かを学びあったり創り出したりする学びと創造のスタイル
出典:『ワークショップ』
『ワークショップ』の目次
序 輪になって座る
第1部 ワークショップとは何か
第2部 ワークショップの実際
第3部 ワークショップの意義
第4部 ワークショップの応用
結び
ワークショップの分類
- アート系:演劇、ダンス、美術、音楽、工芸、自己表現など
- まちづくり系:住民参加のまちづくり、コミュニティづくり、政策づくりなど
- 社会変革系:開発教育、国際理解教育、平和・人権教育など
- 自然・環境系:環境教育、野外教育、自然体験学習など
- 教育・学習系:学校教育、社会教育、企業研修、国際会議など
- 精神世界系:自己成長・自己変容、こころとからだ、人間関係、心理学、癒しなど
- 統合系:精神世界と社会変革の統合
出発点
「問い」を持つこと
全体的な学び
人間は「身体」と「心」とで構成されているが、ここでは日本語の「心」を英語のマインド、スピリット、エモーションに分解する。
- ボディ=身体(身体性)
- マインド=知性
- スピリット=直観・霊性
- エモーション=感情(感性)
ワークショップの特徴
「参加型」(主体性)
ワークショップは、ヴァーチャルな世界にはない生身の人間同士のコミュニケーションの場だ。携帯電話や電子メールの普及の一方で、実際の人間同士が向き合ったときの生のコミュニケーション能力の低下が危惧されているが、ワークショップの具体的な人と人のやりとりは、今後さらに重要になっていくだろう。
「体験」
知識偏重の教育に対する反省から出てきたとも言えるワークショップでは、言葉だけの理解よりも、身体を使ってやってみること、感じてみることなど、心身まるごとの「体験」を重視する。「知性(Mind)」だけでなく、「からだ(Body)」を使い、時には「感情(Mind)」に触れたり、「直感・霊性(Mind)」も動員するホリスティック(全体包括的)な学びなのだ。
- 関連:体験学習法
「グループ」(相互作用)
- お互いに学びあう
- 傾聴
ワークショップの現代的意義
- 「豊かさ」の再検討
- モノの所有から「関係」の豊かさへ(関係性)
- 生の充溢と歓喜
- 自分らしく生きる
- 知恵も力も「関係」の中に生じる
- 「市民」意識の醸成
ワークショップの限界と注意点
- 「非日常」の限界
- 自己啓発セミナー、カルト的宗教などとの違い
- まず、参加者を日常の世界から引き離し、隔離された状態に置く。
- 精神的に空白の状態に追い込んでいく
- そこに教義や思想、イデオロギーを徹底的に注入する
- 思い切って壁を乗り越える体験をさせる
- 独善的にならない
ⅰⅱはワークショップと共通、ⅲⅳは自己啓発セミナーやカルトの特徴。
講演会への応用
講演会やシンポジウムに行って、いつも残念だなと思うことは、その会場には同じようなテーマに興味を持っている人がたくさん集まっているのに、誰とも話すことなく、終われば皆黙って散っていってしまうことだ。参加している人同士が少しはお互いのことを知ったり話あったりする工夫が何かできないのだろうか。
『ワークショップ』のまとめ
交響する瞬間
『ワークショップ』ではオーケストラをなぞらえて調和による覚醒、「交響する瞬間」を説明している。
- 「調和」を参照
輪になって座ろう
集いあい問いあうことが力
だから輪になって座ろう