行動分析学の履歴
行動分析学とは
人間や人間以外の動物の行動には、それをさせる原因があるのであり、行動分析学はその原因を解明し、行動に関する法則を見いだそうとする科学なのである。
出典:『行動分析学入門』
どのレベルで行動を説明するか
- 遺伝的な説明
- 過去の環境要因による説明
- 現在の環境要因による説明
どのレベルで行動を説明しないか
- 神経生理的な説明
- 心的な説明:行動の原因は心にある、とする伝統的かつ広く世間で行われている心身二元論的な説明
- 概念的説明:能力や本能や性格といった“仮説構成体”で行動を説明
行動分析学で行動の原因として否定するもの
- 意志
- やる気
- 性格
- こころ
意志ややる気、性格、こころに求めるのは、循環論であり、ラベルである。
そもそも、自分も含めて、ある人が行儀がいいとか悪いとか、意志が強いとか弱いとか、やる気があるとかないとか、引っ込み思案なのか度胸があるのか、ということがなぜわかるのかを考えてみたい。禁煙を決意しながらタバコに手が伸びてしまうのは、意志が弱いからだった。では、なぜ、その人の意志は弱いといえるのだろうか。それはタバコをやめようと思っているのにやめられないからである。どこか変ではないか。
おかしい理由は2つある。タバコをやめられないことと意志が弱いこととが循環論に陥っていることが1つ。もう1つは、意志が弱いというのは、タバコを吸う原因ではなく、禁煙を決意したのにタバコを吸っていることを別の言葉で言い換えたにすぎないのである。
「意志」や「やる気」や「性格」は行動に対してはられたラベルであり、実体はそれが指し示す行動と同じであるから、これらが行動を説明する原因ではないのである。(中略) 行動にラベルをはる時、多くの場合、人は無意識のうちに「こころ」を措定し、その「こころ」が問題行動を引き起こしていると考えてしまう。
出典:『行動分析学入門』
行動随伴性とは
行動随伴性:行動の原因を分析する枠組みで、高等とその直後の状況の変化との関係をさす
出典:『行動分析学入門』
行動分析学の応用
行動分析学の応用領域で、現在に至るまでもっとも花開いたのは障害児教育の分野であるが、言葉に遅れがあったり言葉が話せなかったりする子供たちに対して、いかにコミュニケーションを獲得させるかは、社会が要請する重大事の一つである。行動分析学的言語観が、発達障害児や自閉症児の言語獲得にいかに貢献してきたかの例をあげると、国の内外を問わず枚挙にいとまがない。
出典:『行動分析学入門』