遺伝子
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たった2万個
分かりやすいたとえには以下のようなものがある。英語話者はだいたい2万語の語彙で英語を話す。その二万語は自動車の説明書のような平易な文章から「ユリシーズ」のような難解な小説まで様々な本を書くために使われる。つまり構成要素が同じでも複雑なものは作れるということだ。
情報
→これ以外にも、機能的な区分が用いられる。
遺伝子ファミリー
DNA塩基配列の違い
変異(mutation)
病気など、明らかに悪い結果をもたらすミススペルのこと。
バリアント(variant)
よくも悪くも中立にもなるあらゆるスペルの違いのこと。
多型(polymorphism)
バリアントがヒト集団の1%以上に出現頻度を持つ場合、多型という。
DNAの塩基配列の一文字だけが違う場合をSNP(single nucleotide polymorphism)という。
遺伝子型が行動にどれほど影響するか
アメリカ人の半数の人は、残りの半数の人にくらべて刑務所に入る確率が16倍も高くなる遺伝的な危険因子をもっている。「Y染色体」だ。
「私はY染色体を持っているから犯罪行為に走るのは仕方がないのです」なんて言い訳は、社会的に容認されたことなどない。現在わかってきている遺伝要因のうち、Y染色体ほど強く犯罪傾向に影響するものはたぶん一つもない。
(Collins FS「遺伝子医療革命」p254より要約)
@脳みそ
- 脳では2万個の遺伝子のすべてが発現している。
参考文献
「ゲノムと聖書」に続いてコリンズ二冊目。非常に明快な文章で、最先端の医療の現在と未来について惜しみなく語る。アメリカでの医療現場でゲノム研究と医療がどのように交錯しているかがよくわかる。繰り返し、遺伝子医療に関して監督機関を設けることの重要性を説いていて、本人も努力している。どうも人間は自分の利益を守ることのほうに躍起になるようだ。ヘルスケアというよりシックケアがいまの医療のメインストリームになっているので、自己管理の重要性を説いている。
一番信頼できて簡単に手に入る遺伝子医療の資料は家族の病歴だというのが目からウロコだった。
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