スマイルスキャン2
米タイムス誌は、最新号で今年の最高の発明と最低の発明を掲載しました。
「スマイルスキャン」が、みごとに最低の発明に選ばれました。
同じく最低の発明に「ガスマスクとしても使えるブラジャー」が選ばれました。
ちなみに最高の発明には、月有人探査を目指すNASAの有人ロケット「アレス」が選ばれました。選考の基準は、編集者の独自の判断だそうです。
オムロンさんの広報担当者「残念な選出ですが、世の中に笑顔を増やすという製品の意図を理解してもらっていたら、評価は変わっていたかもしれません」とコメントしていました。まじめですね。
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このニュースを先ほど新聞で読んで、僕は嬉しかったです。
なぜなら、スマイルスキャンが世界の情報の洪水の中で、ニュースとしてとらえていることです。
欧米人には、日本の文化が分かっていないんです。
感情を律する文化だからこそ、世界一きめ細かいサービスが生まれたことを・・・・
サービスやミシュランの店数も、だんぜん世界一ですよ。
不況克服策、内需拡大の目玉、観光立国は、笑顔なしに達成しません。
以前も紹介したと思いますが、世界各国で「自分の笑顔に自信がありますか?」と同じ質問をしました。
「自分の笑顔に自信がある」と答えたのは、イギリス人が85%、アメリカ人が77%、日本人は34%です。しかも、対象は成人女性です。日本人の男性を入れたら20%以下だと思います。
欧米の人には、感情を出すことを良しとしなかった日本の長い歴史が分かっていないんです。表層的な日本文化にあこがれていますが・・・・
分からなくて当たり前です。分かるわけないですよ。
彼らからすれば顔認証システムは、セキュリティの技術です。スマイルスキャンの発想もニーズもありません。
その日本人が、いい表情をつくることに関心を示し始めたのです。
今までは、「お客様は神様です」とか「男は黙って+ビール」なんてコマーシャルもありましたが、気配り心配りの国はシャイで、コミュニケーションが苦手なんです。島国で単一民族だからこそできたコミュニティ。最大の長所が笑顔では欠点になったのです。
情報の洪水の中で、欧米化が加速しました。しかし、シャイな面は残っていました。その欠点に気づき始めました。心も形も大事だということ、そしてバランスをとりはじめたんです。
これは、すごい変化だと思います。僕は、最高にうれしいんです。
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いま、笑顔が大切だとスローガンを唱える会社は多くありますが、笑顔を給料に反映している会社は少ないです。スマイルの国は、チップが主な収入源ですから、笑顔がなく感じがわるい人は、あたりまえに給料は低いんです。
そんな国の人にスマイルスキャンの素晴らしさがわかる訳がありませんし、笑顔に自信を持つ国には、お笑いの最低の発明なんです。言わせておけばいいんです。
オムロンさんも「世の中に笑顔を増やす・・・・」のではなく、日本人に焦点を当て、外面で損をしないために日本人を育成する道具に徹するべきです。一家に一台体温計があるように、一社に一台は、スマイルスキャン。自己チェックが当たり前になるのも遠くないのでは・・・。
感情を評価する道具として、日本の文化に新しい風を送ってもらいたいです。
スマイルスキャンは、切り口一つで最低から最高に転じます。
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