一生懸命病
僕は、一生懸命に頑張ることが大好きです。しかし、そこに大きな落とし穴があるんです。
先日、ある産科の病院にお見舞いに訪れた時の話です。
面会は、マスク着用は当たり前。インフルとの戦いも続き、安心安全の危機感は、病院全体に広がっています。その反面、ホスピタリティの意識と行動は、飛躍的に浸透してきています。入口に掲示されたお客様の声ボードがその証拠です。
お客様と同じように患者様と呼称まで変えた病院もたくさんありますが、過酷な労働条件とコミュニケーションの悪さで、思うようにサービス意識と仕組みが浸透しないようです。
病院は、一生懸命は職人の集まりのようです。
その病院も以前と比較し、マスクの着用だけでなく面会時間も厳しく管理されていました。その時も面会者が集中していました。産科ですから、お産で緊急な時もあると思いますが、全く融通が利かない様子です。マニュアル通りこなしているだけ。
「こちらに書類を記入してください。」という無愛想な声。感じ悪いガードマン会社の中年男性。イライラしているようでした。
先にカウンター脇に立っていた人は、どうも駐車券のことでトラブっていました。券の発行は、面会入口では行っていないようだ。しかも、この訪問者は、患者さんから頼まれて急ぎやってきた様子です。
いつまでも待たされているので、「ここの受け付けは最悪の対応だ」と怒って別棟の受付に駐車券をもらいに行きました。
一言「お待たせして申し訳ありません」とか、一言あればなんてことない場面なのに、規則を守ろうと一生懸命のあまり、かたい表情と心がクレームにつながっていました。
場面が変わり、そのクレーム応対を横目にはやる心で面会フロアーへ直行しました。面会をする前にトイレで手と口を洗い、きれいにしようと思ったからです。
ところが増築された病院の面会用のトイレは別棟にあり、くねくねと分かりにくかったです。いざ発見、トイレに入ろうとしたら清掃中なんです。
商売の世界では、「清掃中で申し訳ありません」というサインを掲げて、指定された範囲で注意して使用するのは常識ですが、この病院は使用不可でした。
使用せず面会をしました。そして、帰りの済ませようとしましたら、まだ清掃しているんです。一生懸命夢中で仕事をしています。「気持ちよく使ってもらおう」とか使う人の気持ちを全く理解していません。
みなさんも、こんな出会いがありませんでしたか?
一生懸命という心は、無意識に目的と手段がすり替わってしまう罠がふくまれているんですね。
人は、マニュアルで人は動きません。感じ方で動くんです。
「仕事だから笑顔つくりなさい」と指導している会社は、ほとんど一生懸命病に侵されています。
みなさん要注意ですよ。
コメント
このブックにはコメントできません (ログインするとコメントできます)
コメントはまだありません