ブナ林が大好き
今年は、長年の念願がかないブナの原生林がある青森県から秋田県に広がる世界遺産「白神山地」を訪ねました。僕が歩いたのは、限られた小さな範囲ですが、専門ガイドさんに案内され3時間コース(ブナ林散策と暗門の滝)を楽しみました。
僕は、昔から落葉樹が大好きです。
理由は、自然の四季を感じるからです。今でも自宅や事務所の植木は、好んで紅葉を育てて楽しんでいます。ブナは落葉樹の王様なんです。
白神山地で、子供の頃に遊んだブナ林を歩いた時の足の感触を思い出しました。
ブナの生命の音を聞いたことがありますか?
小さい頃の自然学校での体験が蘇りました。一生懸命に聴診器を幹につけ、音を聞こうとしました。静かに自然と一体になると聞こえてくるんですね。「サー、サー、サー」と水が流れる音。それがブナの水の音なのかどうかの真価は定かではありませんが、子供心に僕には命の声に聞こえました。
長い年月をかけて落ちた葉っぱが積もり山道を作っているんですが、水はけも良く水たまりはできにくい。しかも、ゆっくりと水を浄化しますから、ブナ林の近くの川はいつもきれいです。あまり濁りません。
また、浄化された水は、美味しい飲み水として味わうこともできました。白神山地のブナ林で呑んだ冷たい湧き水の美味しさは、たまりませんでした。水筒に入れしっかり、チビチビ味わいました。常温でも美味しい。
戦前は、日本にもブナ林がたくさんあったそうです。あまり役に立たないと、当局に目の敵にされてたくさんのブナ林が伐採されました。その代わりに杉の木が大量に植林されました。杉の成長は早く、まっすぐに伸びた幹は、家を建てる木材として喜ばれたからです。でも結果は、花粉症の原因や落葉樹のブナのように根が張らないので洪水につながっています。
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地球上に命が誕生して40億年が過ぎました。現在まで5回の絶滅期があったと言われています。地球の絶滅期には、90〜95%の動植物が滅びたそうですが、各絶滅期を生き残った動植物に共通の点があります。その時代の一番強い生物や大きい生き物ではなく、共生という生き方です。
『最も強い物やもっとも賢いものが生き残るのではない。もっとも変化に敏感に対応したものが生き残る』 チャールズ・ダーウィン
ガイドさんが話していましたが「ブナの木は、数年に一度、花を咲かせ、実を付ける。でも不思議なことに、誰かが号令したように同じ年に白神山地に生きているすべてのブナが一斉に実を付ける。何とも不思議な光景です。熊のエサにならないように、食べきれないくらいの実を付ける。・・・」
もっと大きな意味がありそうです。
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