挨拶がすべての基本
僕はサラリーマン時代に教育部署に在籍したこともあり、現在もさまざまな企業で新入社員教育のお手伝いをさせていただいています。企業としては研修や実習を通して教育したいことは山ほどあるでしょうが、僕自身が最も大切にしているのは、「挨拶」です。挨拶はすべてのスタートだからです。
挨拶といえば、先日、ある方から質問されました。「門川先生は早稲田アカデミーで指導されていますか?」「いいえ。なぜですか?」。
聞けば、息子さんがその塾に通っているとのことで、あるとき、その方が出向いたところ、先生方が全員立ち上がって笑顔で大きな声で挨拶してくれたので驚いたのだとか。そんな先生方の指導のせいか、息子さんも挨拶をきちんとするようになり、成績も上がり、ご夫婦で喜んでいらっしゃるとのことでした。
早稲田アカデミーはけっこう大手なので、僕も名前は知っています。ホームページを拝見したところ、少子化で厳しい業界にもかかわらず20%近い成長率です。さらには須野田社長のコメントに目が釘付けになってしまいました。ちょっと内容を抜粋してみます。
挨拶で合格実績がうなぎのぼり
「元気な挨拶ができる中学生は、教師のウケが違います。それだけで内申の評価は数ポイント加算されることは確実。塾ならすぐに顔と名前を覚えてもらえます」
「“目をかける”という言葉がありますが、顔と名前を覚えた子には教師は目をかけます。ということは、講義の佳境にはその生徒の目を見て念押しするはず。それだけで、その生徒の大脳に刻まれる記憶の深さが微妙に違ってくる。たちまち偏差値も2、3ポイントアップは必定です」
「アサヒビールが王者キリンの牙城を崩したきっかけは『ドライ』のヒットとか諸々あるが、(当時の社長の)回顧録で興味を引くのは、まず職場内で社員同士、朝夕の挨拶の励行を徹底したことだ」
「何を隠そう、わが早稲田アカデミーも『元気な挨拶』をモットーにしたときから、合格実績がうなぎのぼりに上昇したのです」
アサヒビールについては、以前から僕も同じことを感じていました。そして、これまでのさまざまな企業の笑顔研修を通じて言えることは、「スタッフ同士の挨拶ができているところは必ず伸びる」ということです。
こういうところは、前号で触れた「叱れる関係」があります。つまり、チームワークがいいのです。お客さまにはニコニコしても、スタッフ同士が目も合わせず、ニコリともしないところは、空気がなんとなくよどんでいて、しらじらしいものです。そうしたスタッフ同士の雰囲気は売場に漂い、お客さまにも伝染します。
挨拶はちゃんと相手の目を見て笑顔で、が鉄則。それだけで売上げはみるみる伸びて行くのです。
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