笑顔づくりは作業のムダとりから
今、笑顔をテーマに掲げないお店は皆無です。でも、笑顔が自然にできると思ったら大間違い!
お客さまを笑顔にして幸せ感や感動を共有するには、お店を笑顔化していくための「仕組み」が必要です。お笑いの世界でも、人を笑わせるためには必死でネタを仕入れ、組み立てるといった緻密な舞台裏があるように、お店も笑顔になる仕組みが不可欠なのです。
その第1歩は、「環境ベーシック」(笑顔になる環境を整えること)です。
前号で、スタッフ一人ひとりの負荷が大きいため、本来はお客さまに笑顔になってもらうための「手段」である「作業」が「目的」になってしまい、“売れないスパイラル”に陥るという話をしました。
作業量が増えれば増えるほど、笑顔どころか顔がひきつり、お客さまに気づかないくらい作業に没頭するため、売れなくなる。これでは本末転倒です。
作業のムダとりをすると
販売スタッフが接客に集中できる
“売れないスパイラル”からの脱却策は、経営サイドがお店の作業のムダ取りを徹底して行なうことです。スタッフのエネルギーをお客さまに集中できるようにするのです。そういうサポートなしで「笑顔だ、売り上げを上げろ」では無理難題を押し付けているのと同じです。よけいな作業を取り除いてあげて、最高の笑顔ができるような環境を整えてあげましょう。
実際、今、売れているお店、がんばっているお店は、そうした環境をつくっているところです。某ファッションメーカーの社長は、「ブランドが輝くためには販売スタッフが輝くようにすべきだ」という理念のもと、スタッフが効率的に楽しく働けるようにするために、納品、補充、品出しなどの効率化に着手し、売上げをぐんぐん伸ばしていきました。
僕が指導に当たる場合は、店長に「笑顔の障害になる項目」を書き出してもらいます。すると、「スタッフが少ないうえに忙しい時間帯に搬入がある」など、あっという間に5項目くらい挙がってきます。
それらについて本部も交えて検討すると、次のようなムダとりが実現します。
◎検品…代行納品に変え、店での検品をなく
す
◎納品…時間の変更(スタッフが揃っている
時間帯、開店時感前、夜間など)
◎DMの宛名書き…本部で行なう
普通、シューズショップの店頭には補充のために靴箱が積み上げられていますが、ムダとりをした店舗ではそうした光景が見られなくなりました。値付け作業も補充も代行に変えたからです。
こうした、ちょっとしたムダとりを重ねていくだけで、スタッフは接客に集中でき、「商品を売り切る」役割に徹することができるようになります。これで売れないわけがありません。
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