小さな「良かった」を共有する
インターネット時代のお客さまの特徴は、商品そのものの知識や評価(口コミ等)をあらかじめネットで調べて来店する確率が高いということです。
ということは、来店時に大切なのは、販売スタッフが詳しく商品説明をすること以上に、笑顔の関係作りが大切です。
お客さまのことを一生懸命わかろうとしてくれる姿勢や、お客さまを笑顔に、元気にできる人柄、そしてお店全体が楽しい雰囲気であることのほうが購入の決定打になります。
そのためには、販売スタッフがお客さまの気持ちに近づくことが重要です。
その方法として、僕がおすすめしているのは、「お客さまの声や情報を共有化すること」です。具体的には、お客さまから言われたこと、いいことも悪いことも全部集めまくって、「お客さまの声のネタ帳」をつくるのです。
何が売れたか、売れないかはコンピュータで分析できますが、どうして売れたのか、売れなかったのかは、お客さまの声に触れることでしかわからないのです。
「いいこと」に敏感に喜べると
売り上げもアップ
では「ネタ帳」のつくり方です。
●内容
お客さまに喜ばれた、あるいは、お客さまが不満を感じた、あらゆるケース。
現場スタッフがお客さまから直接得た情報、電話やネットで寄せられたお客さまの声、すべて集めます。
●共有方法
最も手っとり早いのはメール、FAXです。読みやすさという点では社内報でしょう。いずれにしても、すべてをスタッフが共有できないと意味がありません。
●共有化がもたらす効果
① お客さまの心が理解できる(追体験)。
② 特にいい事例を共有することで、お客さまに喜んでもらうことは「当たり前」のことではなく「すばらしいこと」なんだと再認識し、自信が得られる
③ お客さまとのコミュニケーション がとれることで、しぜんと売り上げが上がり、クレームが減る。
②について補足します。現場のスタッフはクレームなど「悪いこと」に敏感になりがちです。悪いことのほうが目立つし、気になるからです。
そしてお客さまから喜んでもらったり誉めてもらったことなど「いいこと」に対して鈍感になってしまいます。それが当然のことだと思えてしまうからです。
でも、「いいこと」を客観的に喜び、みんなで共有するうちに、それがどんなにすばらしいことかがわかってきます。自信がつくと、ポジティブにお客さまの心に近づいていけるようになります。
僕はこのネタ帳を「サクセスニュース」と呼んでいます。なぜかというと、いい声も悪い声も集めるのが基本ですが、だんだん共有効果が表れ始めると、集まる声もいいものが増え、悪いものが減っていきます。結果として「小さな“よかった”」ことばかり集まることが、スタッフたちの成功体験につながり、やりがいや売上げアップに直結していくからです。
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