いい笑顔は欠点が味になる
笑顔セミナーで「自分の笑顔に自信がありますか」と質問すると、
日本人は、みんな笑っていますが、すばやく手が上がらない。
同じ質問をタイ人、アメリカ人、ロシア人、フランス人、イタリア人、中国人にしたことがあります。結果は、瞬間的に手が上がります。
日本人はなぜ笑顔が苦手なんでしょう。答えは簡単、いい顔作ろうとするからです。
日本の挨拶は、昔は「元気に挨拶」と教えました。最近では「笑顔で挨拶」と言い始めました。しかし、笑顔の専門家から見ると、とても無理があります。笑顔と挨拶は水と油くらい違います。
日本式挨拶の素晴らしさは、スーパーのレジ、チェッカーシステムをレジ作法にしちゃうんです。日本のスーパーや100円ショップ、アウトレットでも接客は丁寧ですね。日本人はお作法がお好きです。
しかし、丁寧だけど笑顔が少ない。買ってくれたお客様には、手を前に組んでお辞儀をして「ありがとう」と言う。しかし、目が合わない。買わなければ、すれ違ってもニコリともしない販売員が多いです。目が合ったら目線をさけます。
日本の挨拶の基本は「語先後礼」社会人になると新人研修で躾けられます。「ありがとうございます。」と言ってからお辞儀が後からついてくる方法。この挨拶の形はとても美しいと思いますが、作業量が多く、しかも販売員が少ない環境で、たくさんのお客様と親しく愛される関係を作るには、少々無理があります。いま、求められているのは「おもてなし」より「フレンドリー」な関係です。
人といい関係を築くとき、きれいに見えることはあまり重要ではありません。顔の動きが左右対称でなくてはいけない、口角を上げなさい。といったお作法的笑顔に異常にとらわれ過ぎています。結果、計算された笑顔になり、冷たい感じのお面をかぶったような笑い顔、営業スマイルになりがちで笑顔のこころは伝わりません。
笑顔はこころと身体が一緒に動くのが自然です。赤ちゃんや子供の笑顔が素晴らしいのは、自然だからです。その方が身の心も楽なんです。いい笑顔はリラックスです。
取るに足らない欠点を大きくとらえ、隠そうとするタイプも多いです。少しでも小顔に見せたいから髪で顔を隠そうとする。歯並びが気になるから口元を出したがらない、手で口元を隠すなどです。きれいな笑顔をつくろうとして欠点を隠します。欠点を隠すのは心を隠すことですから、相手が親しみを感じるのがむずかしくなります。
好かれる笑顔は、形はちょっとアンバランスでも、それがむしろ味になるくらい自分の長所を伸ばしたいですね。自分らしく素直にこころを開いて、表情が豊かなこと。その笑顔を見た相手も心を開いて笑顔になっちゃう。その笑顔で自分もさらに笑顔になっちゃう。
笑顔の法則12
きれいな笑顔より欠点も味にする笑顔を目指せ
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