新おもてなし文化
サービスやおもてなし文化を理念に掲げている企業の不祥事が続いています。
みずほ銀行不正融資、阪急阪神ホテルズのメニュー誤表示(どうみても偽装だが)クレドでおなじみのリッツカールトン大阪、ヤマト運輸の温度管理等、あれほど世間を騒がせた船場吉兆の教訓が生かされない。どこまで嘘が広がるのだろうか。どうみても企業だけでなく日本の構造的な問題であると思います。日本文化を支えた倫理観が弱まりました。
笑顔の視点で考察してみたい。
笑顔アメニティ研究所を設立し、日本に新しいおもてなし文化を伝えたいと独立し笑顔を作る最大の技術、アイコンタクトの導入しました。「笑いと笑顔は違うんだ!」コミュニケーション技術として教育に組み込みました。そうとうの抵抗がありました。今でも続いていますが・・あれから30年以上が経過し笑顔の輪は広がりました。しかし、問題の根は深いです。
日本のお作法や挨拶は、日本という国でしか通用しません。しかし、笑顔は世界の共通語です。嬉しいことに最近では、元気に挨拶と指導していた先生方が「笑顔で挨拶」と指導方針を変えました。
笑顔はスローガンとして聞き慣れた言葉で、心地よさがあります。しかし、笑顔と日本の挨拶は水と油くらい違いがあります。日本人の誇るべき挨拶は当然のように大切にしなければいけないと感じますが、結果はどちらも中途半端に終わってしまいます。
なぜならば、笑顔は相手とのコミュニケーション技術であり、相手がいるから笑顔、アイコンタクトのない笑顔はただの笑いなんです。笑顔は、心と形が一緒についてきます。きわめて自然体のリラックス、チカラの抜き方が大切になります。個人のコミュニケーション技術です。
それに対し、挨拶は世間が神様。日本の挨拶の基本は集団の掟「語先後礼」、言葉が先でお辞儀が後につてきます。言葉と形が分割する、きわめて形優先で躾けられます。
挨拶は「和をもって貴す」という聖徳太子以来の日本の最大の文化「和」と密接につながります。すべての前提が和、和=世間という集団を優先する士農工商の縦割り文化が根底にあります。仏教の教えも和顔施「こころは形をもとめ 形はこころをすすめる」正しき心は正しい形から・・・でもそこに問題あり。最大の長所の陰に最大の欠点があります。
戦後、占領軍の政策で天皇=神から象徴へ変わりましたが、その象徴は辛くも残すことができました。しかし、日本的な倫理観と教育は崩壊しました。教育の中で西欧文化を取り入れるべきです。中途半端だから、神話の世界や日本の倫理という考え方が西欧文化との融合の中で存在感が薄れてしまっています。いいものはいいのです。
以前、ミッション系の女学校から笑顔セミナーを依頼されました。笑顔で挨拶ができないからだそうです。しかし、指導担当の教えている先生方こそ笑顔がありません。ミッション系なのにバリバリの接遇研修をしていました。もっとフレンドリーな笑顔が大切ではありませんかと提案しました。
新しいおもてなしは、成功した東京オリンピック2020誘致のプレゼンテーションにヒントあります。イギリス人コンサルタント ニック バレー氏がマンツーマンで指導したそうです。結果、世界の人の心に響きました。あのプレゼンは、何回聞いても日本の素晴らしさが伝わりワクワクします。日本の長所を知らないのは、一番日本人かもしれません。
http://www.youtube.com/watch?v=TAiqwmig6KE
http://www.youtube.com/watch?v=zXm-xu9VEdU
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