お客さまに「すいません」と言わせない
笑顔の楽校 20
ケース② 和菓子専門店
お客さまに「すいません」と言わせてはいけない
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立ち止まるお客さまが多い店。でも販売スタッフが作業に専念するあまり、
せっかくのお客さまを逃している。非常にもったいない例。
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ここは、複数の和洋菓子有名ブランドがケースごとに展開されているコーナーです。
メインはギフト用詰め合わせですが、単品売りも充実していることと、食料品売り場からのお客さまが流れてきやすい立地ということもあり、ついふらふらっと、買うつもりじゃなかったけど、おいしそう……と立ち止まるお客さまをも引き込みやすいはずです。
では、お客さま目線でお店を見てみましょう。ケースの前に立つと、まず目に飛び込んでくるのは、主役である商品以上に、その向こうに見える作業スペースです。包装前の箱、シールカッター、書類ファイル、段ボールなどがごちゃごちゃと置かれ、柱の周りには業務連絡の紙がペタペタ……。
そしてケースの中はかなりのアイテム数がぎゅうぎゅう詰め。「売りたい!売りたい!」が全面に出てしまっていて、商品がが引き立ちません。
また、お客さまが立ち止まってケースを覗き込んでいるのに、スタッフが作業に専念しちゃって気づかないというシーンが非常に多いことに驚きました。僕が観察していた約10分間に、気づかれないままその場を去ってしまった方が3人もいました!
いちばん多いのは、お客さまから「すみません」と声をかけられてから「いらっしゃいませ」と小走りに移動する例。接客し始めてしまえば、説明も一生懸命で、笑顔もとてもいい感じなのですが……。接客の基本である「お客さまに早く気づく」ことができない(鈍感)人は売り逃しが多くなるので、もったいないですね。
第一、「すみません」っていうセリフ、お客さまに言わせていいんでしょうか?
お客さまとのコミュニケーションで
おいしさをアピール
限られたスペース内での作業ですから、ゴチャゴチャした裏舞台をお客さまから見えなくするのは無理と思われるかもしれません。でも整理整頓して「きれいに見せる」ことは可能です。箱を積み重ねるときにきちんと角を揃える、ファイルの色を統一するだけでもぐっと好印象になるはずです。
お菓子はファッションと同様、非常にオシャレな感覚が求められています。いくら味がよくても、整理整頓ができていないなどの“おいしく見えないマイナス要因”があっては台無しです。
そして、ただ商品を並べても、おいしさや作り手のこだわりは伝わらないし、お買い上げいただくのをただ黙って待っていては売れません。試食やPOPなど、商品の魅力をアピールすることが大事です。
【コミュニケーションUPのポイント】
1 「すみません」と言われる前に
作業に集中し過ぎると、無意識にお客さま
にお尻を向ける姿勢になりがちなので、立
ち位置に留意しましょう。
2 閑散時間は試食タイム
商品をカゴ等に入れ、カウンターから出て手渡しでお客さまにおすすめします。もちろん、アイコンタクト&笑顔を忘れずに。
3 お店や商品の魅力をアピール
「◯◯(店名)でございます」「期間限定の人気商品△△でございます」など元気に声を出すだけで、売上げが125%伸びた例もあります。POPも効果的です。
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