笑顔のシーンを演出する
笑顔の楽校 33
ケース⑭輸入食品店
笑顔のシーンを演出しよう!
閑散時間帯にもかかわらず、お客様がひっきりなしに入店しています。ポイントは、店頭をウェルカムステージにしたフレンドリーなおもてなし接客です。
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今回のリサーチは最近誕生したSCです。通路やトイレが広いせいか、ベビーカーや車椅子のお客様、3世代連れ立ってのお客様が多いのが特徴。時代に即した素晴らしいSCです。
僕の目が釘付けになったのは、グルメコーナーの一角にある輸入食品店。決していい場所でもなく、閑散時間帯で他店にはお客様がほとんどいないにもかかわらず、ここはお客様が絶えません。
店頭では店長とおぼしき女性スタッフが通路を歩くお客様ひとりひとりにアイスコーヒーの試飲をおすすめしています。
そのシーンには【お客様が立ち止まる】→【笑顔で引き込まれていく】→【気持ちよく買い物する】というストーリーがありました。大きなカギは次の2つです。
◎笑顔、ひと言、誘導
コーヒーを手渡しする時に「ゆっくりお召し上がりください」のひと言と、アイコンタクト&笑顔を必ず添えています。さらに「店内、ごゆっくりごらんください」と入店を促しています。
◎店頭がウェルカムステージ
試飲コーナーは閑散時間帯だけかと思いきや、必ず誰かが担当していました。店頭をウェルカムステージとしてフォーメーションを組んで“おもてなし”しているのです。ワクワクとしたライブ感のある接客のお手本といっていいでしょう。
ボリューム、鮮度、活気のあるお店づくり
周りのお店も試飲試食コーナーをもうけていますが、入店には結びついていません。このお店のように「楽しさ」が伝わるコミュニケーションがないと、テクニックだけ真似てもだめなんですよね。
このお店、僕の採点は、50点中47点!ボリューム、鮮度、活気ともにモデルとなるお店です。
ではどこを改善したら満点になるのでしょうか?
◎“おいしい”の障害は取り除く
整理整頓はできているほうですが、アイテム数が膨大なので作業優先になりがちです。奥のレジカンター上に伝票や書類が置いてありました。“おいしい”の障害になるようなものはお客様の視界に入らないよう、留意しましょう。
◎通路は1.2mを確保
小さい店内に圧倒的なアイテム数。そのしわ寄せが通路の狭さに表れています。でもベビーカー、車イスのお客様のために1.2mは確保してください。
◎スタッフ同士のアイコンタクト&笑顔
店内が商品に埋もれていて、見通しが悪い(商品や人の動きが見えにくい)という課題をクリアするには、スタッフ同士の連携が不可欠。お互いにアイコンタクト&笑顔ができるようになることです。
【コミュニケーションUPのポイント】
1 商品をきれいに見せる
通路が広く取れないので陳列商品が乱れがちになります。スタッフは歩きながら直す習慣をつけていきましょう。商品の乱れも“おいしさ”の障害です。
2 コンセプトで親近感を創出
お店の思い(コンセプト)がストーリー化されてレジカウンター近くに貼ってありました。これを読むとますますこのお店のファンになります。
3 レジカウンターを作業台にしない
レジカウンターはコミュニケーションカウンターです。お客様に関係ないものは「見せない」「置かない」工夫を。
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