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三国志

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後漢王朝の崩壊後に成立した3つの王朝の成立から滅亡までを書いた歴史の本。もしくは、その時代の歴史に材料をとった小説。三国志演義。

戦争の描かれ方の変化

三国志は、その大部分が戦争を描いている。しかし、作品の前半と後半では戦争の描写が大きく異なる。おそらく、この変化は、この作品の舞台である三国時代に後漢の蔡倫によって発明された紙が広く普及したこと、これにより、一種の情報革命(魏晋情報革命)がおこり、社会のシステムが変化したことに関係がある。

前半

物語前半、概ね劉備一行の荊州入り前後までは、敵味方ともに腕っぷしの強い剛の者が活躍している戦争ばかり描かれているイメージがある。例えば、呂布であったり関羽であったりといった英雄が突撃して、一騎打ちを挑み、その成否が戦争全体の行方を決定するといったような。たとえ事実ではないとしても、それらのエピソードが物語違和感なく収まっているのは、戦場がそれほど大きくなかったこともあるだろうし、軍隊自体も小規模であったからであろう。

後半

物語後半、特に赤壁合戦や蜀による北伐などで顕著であるが、前半の「剛の者」の活躍に代わって、総大将と幕僚たちのたてる複雑な作戦の成否が戦争の行方をほぼ決してしまうようになる。戦争自体が大規模になり、各師団に与えられる命令も複雑なものになっていったのだろうか。

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