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少将はどうなさいました?

「少将はどうなさいました?」
「四五日の間はおれに遇うても、挨拶さえ碌にしなかった。が、その後また遇うたら、悲しそうに首を振っては、ああ、都へ返りたい、ここには牛車も通らないと云うた。あの男こそおれより仕合せものじゃ。――が、少将や康頼でも、やはり居らぬよりは、いた方が好い。二人に都へ帰られた当座、おれはまた二年ぶりに、毎日寂しゅうてならなかった。」
「都の噂では御寂しいどころか、御歎き死にもなさり兼ねない、御容子だったとか申していました。」
 わたしは出来るだけ細々と、その御噂を御話しました。琵琶法師の語る言葉を借りれば、
「天に仰ぎ地に俯し、悲しみ給えどかいぞなき。……猶も船の纜に取りつき、腰になり脇になり、丈の及ぶほどは、引かれておわしけるが、丈も及ばぬほどにもなりしかば、また空しき渚に泳ぎ返り、……是具して行けや、我乗せて行けやとて、おめき叫び給えども、漕ぎ行く船のならいにて、跡は白浪ばかりなり。」と云う、御狂乱の一段を御話したのです

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