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この作家の人気は

 この作家の人気は、或る特殊な雰囲気を、この作家がもつてゐるといふ理由に基づいてゐるやうだ。言はゞ、人気の二種類陽気な人気と、陰気な人気とがあるとすれば、山口華楊はその後者に属するといふことができよう。それが芸術の仕事であればこそこの陰気な人気などといふことも認容されるのであらう。それが映画女優などであれば、人気は陽気なものといふ一方的なものに止まるであらう。山口華楊にせよ、徳岡神泉にせよ、奥村土牛にせよ、金島桂華にせよ、この人々はみな陰気な人気をもつた人といふことができよう。これに対して陽気な人気をもつた作家といふのを選んでみれば、川端龍子を筆頭にあげることができ、次々と何人でもある。世評も何となく派手で解放性があるのである。しかし陰気な方の人気者たちは、何時の場合も、観賞者を全部的に納得させないでをいて、その人気をひきずつてゆくといふ力がある。だから何時まで経つても、なかなか人気を喪失しない作家といふものが居たとしたら、観賞家や、批評家はそのことに疑問をもち懐疑し、そしてその作家の本質を再吟味する必要があらう。 被リンクに関する記事 - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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