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お日さまがしずむと

 お日さまがしずむと、おにいさまたちはかえって来ました。いもうと[#「いもうと」は底本では「いもう」]がおしになったのをみて、みんなびっくりしました。これもわるいまま母がかわった魔法をかけたのだろうとおもいました。でも、いもうとの手をみて、じぶんたちのためにしてくれているのだとわかると、末のおにいさまは泣きました。このおにいさまの涙のしずくが落ちると、もう痛みがなくなって、手の上のやけどのあとも消えてしまいました。
 エリーザは夜もせっせと仕事にかかっていました。もうおにいさまたちをすくいだすまでは、いっときもおちつけないのです。そのあくる日も一日、はくちょうたちがよそへとんで行っているあいだ、エリーザはひとりぼっちのこっていました。けれどこのごろのように時間の早くたつことはありません。もうくさりかたびらは一枚でき上がりました。こんどは二枚目にかかるところです。
 そのとき猟のつの笛が山のなかできこえました。エリーザはおびえてしまいました。そのうちつの笛の音はずんずん近くなって。猟犬のほえる声もきこえました。エリーザはおどおどしながら、ほら穴のなかににげこんで、あつめてとっておいたイラクサをひと束にたばねて、その上に腰をかけていました。

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