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もっとも、私が、あの、鳥羽の海へ投入れられた

 もっとも、私が、あの、鳥羽の海へ投入れられた、その身の上も話しました。その方は不思議な事で、私とは敵のような中だ事も、いろいろ入組んではおりますけれど、鼓ヶ嶽の裾の話は、誰にも言うな、と口留めをされました。何んにも話がなりません。
 五日目に、もう可いから、これを舞って座敷をせい。芸なし、とは言うまい、ッて、お記念なり、しるしなりに、この舞扇を下さいました。」
 と袖で胸へしっかと抱いて、ぶるぶると肩を震わした、後毛がはらりとなる。
 捻平溜息をして頷き、
「いや、よく分った。教え方も、習い方も、話されずとよく分った。時に、山田に居て、どうじゃな、その舞だけでは勤まらなんだか。」
「はい、はじめて謡いました時は、皆が、わっと笑うやら、中には恐い怖いと云う人もござんす。なぜ言うと、五日ばかり、あの私がな、天狗様に誘い出された、と風説したのでござんすから。」
「は、いかにも師匠が魔でなくては、その立方は習われぬわ。むむ、で、何かの、伊勢にも謡うたうものの、五人七人はあろうと思うが、その連中には見せなんだか。」
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