クレジットカード王国の最新の日記
水中眼鏡をかけて
「僕はその上、水中眼鏡をかけて、催涙瓦斯を防げるようにしようかな」
若い人たちの間には、防毒面の座談会が始まった。同室の人たちは、横から熱心にそれを聞いていた。そしてめいめいの心の中に思った。――
(今度東京へ帰ったら、まっ先に防毒面を手に入れよう……)と。
それから間もなく、毒瓦斯地帯を無事に通過することができた。
「篠ノ井、篠ノ井……」
と駅夫のよぶ声が聞えてきた。もう毒瓦斯がない証拠だ。窓は明けはなたれた。そとから涼しい、そして林檎のようにおいしい(と感じた)空気がソヨソヨと入ってきて、乗客たちに生き返った思をさせた。
「助けて、た、たすけてえ」 - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)
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