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その日の午後四時

 その日の午後四時、真夏の太陽はギラギラと輝いていたが、帝都には突如として警戒警報が発令された。
 品川区五反田に、ささやかな工場を持つ鍛冶屋の大将こと金谷鉄造は、親類の不幸を見舞いにいった帰り、思いがけぬひどい目にあったが、その疲を休めるいとまもなく、もう仕事場に出て、荷車の鉄輪を真赤にやいて、金敷の上でカーンカーンと叩いていた。そこへ防護団本部から急ぎの使がやってきて、「至急集合!」を知らせてきたので、仕事はあともう一息だったけれど、そのまま鎚をなげだして、団服を着るのももどかしく、往来へ走りでた。
「やあ鉄造さん。よく帰ってきてくれたね」
 と、分団長の丸福酒店の主人、神崎後備中尉は、嬉しそうに、鉄造の手をとった。

「軍隊以外の死傷は」 - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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