クレジットカード王国の最新の日記
<< 前の日記へ 一覧を見る 次の日記へ >>

 

井上氏はその当時にあって

 井上氏はその当時にあって、実に偉い人であったと思う。
 その演劇は正月の八日が初日であったように記憶している。その前年の暮れに、私が途中で榎本君に逢うと、彼は笑いながら「君、怒っちゃいけないよ」と云った。果たして稽古の際に楽屋へ行くと、我々の不愉快を誘い出すようなことが少なくなかった。手を着けてはならないと井上氏が宣告して置いたにも拘らず、俳優や座付作者たちから種々の訂正を命ぜられた。我々もよんどころなく承諾した。三幕目の常磐津は座の都合で長唄に変更することになったのは我々もかねて承知していたが、狂言作者の一人は脚本を持って来て「これをどうぞ長唄にすぐ書き直してください」と、皮肉らしく云った。つまりお前たちに常磐津と長唄とが書き分けられるかと云う肚であったらしい。探偵になりたくて仕方ないです - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

コメント

コメントはまだありません

コメントできません