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この野郎、横着な野郎だ

「この野郎、横着な野郎だ。三日の約束がもう五日になるでねえか」
 半七は表から覗いてみると、今しきりに呶鳴っているのは、三十五六の赭ら顔の大男で、その風俗はここらの馬子と一と目で知られた。その相手になって何か云い争っているのは、やはりおなじ年頃の色の黒い、中背の男で、おそらく亭主の辰蔵であろうと半七は想像した。
「嘘つき野郎め、ふてえ奴だ、われには何度だまされたか知れねえぞ。もうその手を食うものか、耳をそろえて直ぐに渡せ」と、馬子は嵩にかかって哮り立った。
「嘘をつく訳じゃねえ。今ここにねえから我慢してくれと云うのだ。近所隣りの手前もあらあ。無暗に大きな声をするな」と、辰蔵は着物の襟を掻き合わせながら云った。
「なんの、遠慮があるものか。貴様が横着の嘘つき野郎ということは不動様も御存じで、近所隣りでもみんな知っているんだ。それが口惜しければ銭を出せ」探偵に必要な道具・現金とカード類 - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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