クレジットカード王国の最新の日記
<< 前の日記へ 一覧を見る 次の日記へ >>

 

そうすると鷹が

「そうすると鷹があの木の上に降りて来て……」と、半七は銀杏のこずえを指さした。「足の緒が枝にからんで飛べなくなったところを、誰かが登って行って捉えたと、まあ、こう判断するんですね。小枝は折れている。木の下に鷹の羽は落ちている。まあ、そう判断するのが無理のないところでしょうね」
 云いながら辰蔵の顔をじろりと見かえると、彼は唖のように黙って立っていた。
「まったく鷹の羽に相違ありませんよ」と、老人はかさねて云った。
「そうですか」
 半七は突然起ちあがって辰蔵の腕を強く掴んだ。
「さあ、辰蔵。正直に云え。貴様はけさあの銀杏に降りた鷹を捕ったろう」
「御冗談を……。そんなことは知りません」
「知らねえものか。もう一つ、貴様に調べることがある。貴様の家へゆうべ雑司ヶ谷の鷹匠が泊ったろう」探偵といえば - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

コメント

コメントはまだありません

コメントできません