クレジットカード王国の最新の日記
<< 前の日記へ 一覧を見る 次の日記へ >>

 

木戸前に小三津の新しい幟が

「今見たら、木戸前に小三津の新しい幟が立っている。呉れた人は常磐津文字吉とある。小三津は文字吉に何か係り合いがあるのかね」
「文字吉は実相寺門前の師匠ですが、小三津をたいへん贔屓《ひいき》にして、楽屋へ遣《つか》い物をしたり幟をやったり、近くの料理屋へ呼んだりしたので、小三津の方でも喜んで、このごろでは師匠の家《うち》へもちょいちょい出這入りをしているようです」
「それで叱られたわけでもあるめえ」
「勿論それは別の話で……」と、亭主は笑っていた。「芸人同士、女同士で、贔屓にしてくれる所へ顔出しをするのを、師匠がやかましく云う筈はありません」
「まったくだ。そんな野暮を云っちゃあ、役者稼業は出来ねえ」
 それから糸を引いて、今度は文字吉の噂に移ったが、亭主は彼女を悪く云わなかった。やはり庄太の報告通り、酒屋の旦那に遠慮して男の弟子は取らない。弟子は近所の娘たちか、遠方から通って来る女たちである。旦那から月々の手当てを貰う上に、いい弟子が相当にあるので、師匠はなかなか内福であるらしいと云った。キャラクターものの中でもキーホルダーは人気商品です - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

コメント

コメントはまだありません

コメントできません