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たとい初会であろうとも

 たとい初会であろうとも、自分の方がひと足さきへ大菱屋のしきいを跨いで、帳場にも声をかけてある以上は、自分のうちの客が本座敷へはいるのは当然の権利であると、ほかの茶屋の女中は主張した。
 駿河屋の女中は相手の理を非にまげて、こっちは昼間からちゃんと花魁に通して座敷を仕舞ってあると強情を張った。
 どちらも自分のうちの客を大事に思う人情と商売上の意気張りとで、たがいに負けず劣らずに言い争っているので、番頭新造の手にも負えなくなって来た。駿河屋の女中は自分の方の旗色がどうも悪いと見て、急いで家へ飛んで帰って、女房にこの始末を訴えた。女房も直ぐに出て行った。事はいよいよ縺れてむずかしくなったが、肝腎の綾衣はいうまでもなく駿河屋の味方であった。表は次第に賑やかになって - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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