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あたゝかい南の国

 あたゝかい南の国の、きれいに水が澄んだ沼の、静かな岩かげの深みに、黄色い上着に黒い棒縞のチョッキを着た、小さな魚の一族が暮らしてゐました。
 なかでいちばん赤いズボンをはいたのが父親で、母親は赤い肩掛をしてゐました。
 娘たちは淡桃色のひだ飾りのついた、それは大きなリボンを結んで居りました。
 いちばんの姉さんの魚は、たいへん活溌で、ことにダンスがそれは上手でした。
 夕暮れになつて、お日さまはだん/\と森陰に沈みかけます。そして、
『沼の愛らしい魚達よ、左様なら。』
 とはるかな夕焼けの空から、金色のあいさつを沼の水面に投げかけるころ。
 姉さんの魚はきまつて何時も、水面に浮んでまゐりました。
 そしてこの金色のさゞ波にくるまつて、それは上手に踊るのでした。すると夕暮れの風は、急にはしやぎ出しますし、沼の周囲の草木もさかんに拍手をいたします。
 この姉娘の一家はむろんのこと、沼中の魚がみな、水底で夕飯がすむと、水面にうかんできてこの娘さんの、上手なダンスをながめるのでした。 自分でデザインするTシャツ - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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