コンプライアンス
3pt
社会的要請の実現
コンプライアンス(Compliance)は動詞のcomplyの名詞形です。このcomplyの語源はラテン語のcompleoです。ラテン語のcompleoは『満たす、充足する』という意味を持っています。つまり、英語のcomply with~の意味は~を満たすことでわかるように、Complianceとは何かを満たすことなのです。
一般にコンプライアンスといわれると法令遵守・法令等遵守と訳されます。でも企業って法令(法律と命令)、法令等(法律と命令とガイドラインなど)だけ守っていれば好きなことやっていていいんでしょうか。
企業は社会の中に存在しているのであり、法律や命令の立法趣旨は社会が企業に要求することの集約のはずです。ですから、コンプライアンスとはたんに法令・法令等を満たすだけではなく、社会からの要請をも満たすことが必要です。
ですから、現代的意義のコンプライアンスとは『社会的要請の実現』となるべきなのです。
そして、コンプライアンスという言葉が先行し、その本質を理解されないまま企業にコンプライアンスの推進が要求されると、コンプライアンスさえクリアしていればその枠内では何やってもかまわないという『過度の過失責任主義』になっていきました。そして、コンプライアンスマニュアルさえチェックしていればあとは問題ないという『思考停止状態』となっていきました。
これを危惧してコンプライアンスの訳語は『遵守』とするのは誤りであり、『社会的要請の実現』であると翻訳するべきだと主張するのは郷原信郎教授です。
これからの日本を考えていくにはコンプライアンスの真の意義を理解して、日本を再生させていく必要があります。
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