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みんなはおどり出したい

この成功に、みんなはおどり出したいほどよろこびました。ハンナもとびこんで来て、おどろきの声をあげ、おかあさんもどんなにほこらしく思ったでしょう。よろこびが、家中をあらしのようにひっかきまわしました。ジョウは目にいっぱい涙をため、ミス・ジョセフィン・マーチと印刷された名前の新聞が、みんなの手から手へわたるのをながめていました。
「すっかり、話して聞かせてよ。」「いつ新聞は来たの?」「いくらいただけるの?」「おとうさんはなんておっしゃるかしら?」「ローリイは笑わなかった?」と、ジョウのまわりに集った家中の者が、つぎつぎにさけびました。
「では、なにもかもいっちまうわ。」と、ジョウは、じぶんの作品を売りにいったときのことを話し、返事を聞きにいったら、二つともおもしろいが、はじめての人には原稿料を出さないで、ただ新聞にのせるだけ、そのかわり、いいものを書けるようになったら、原稿を買いに来るということだったと話しました。
「それで、あたし二つともわたして来たの。そしたら、今日これを送って来たの。ローリイが見せろってきかないから見せてあげたの。ローリイは、よくできているからもっと書けというの。そしてこのつぎから原稿料を出させるようにしてやるって。あたし、うれしいわ。じぶんで[#「じぶんで」は底本では「しぶんで」]書いたもので食べていけて、みんなのくらしもらくにすることが、できるかもしれないんですもの。」
 ジョウは、一気でしゃべって息がきれました。そして、新聞で顔をおおって、涙でじぶんの小説をぬらしてしまいました。ペンで、一人立ちして、愛する人からほめられるようになることは、一ばんジョウにとっては、うれしいことでありました。
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