SGリイシューベース

1960年代に自社で作っていたベースギター、EB-3（イービースリー）をもとに再設計されたギブソン社製エレクトリック・ベースギター。

主な仕様を引き継いでいるとはいえ、ロータリー式のピックアップ・セレクターをEB-3のアイデンティティと捉えるならば確かに別物であり、敢えてEBの名を使わなかったのは旧モデルに思い入れのあるユーザーやファンに対する配慮だろう。

レギュラーモデルはギブソン定番カラーのエボニー（EB）とヘリテイジ・チェリー（HC）の2色だが、山野楽器がギブソンの代理店だったころに別注で生産された日本限定モデルが4色存在する。クラシカル・ホワイト（CW）は順調に売れたものの、コーラル・ピンク（CO）、コーラル・ブルー（CL）、コロナ・イエロー（CY）の3色はあまりにもポップな色と安っぽい塗装（「サテン仕上げ」という触れ込みだが要するに吹きっぱなし）ゆえに市場に受け入れられなかった。山野楽器の代理店契約が切れ、ギブソンが日本法人を作って直接販売に乗り出したあと、山野楽器の倉庫に埋もれていたポップカラー3色の在庫は特別な条件で楽器店に卸され、各店舗で特価販売されることとなる。

かくして、これらの色（とサテン仕上げ）を許容できるという条件つきではあるが、ギブソン純正のベースギターを新品10万円以下で買えるという稀有な状況が発生。しかし、新品同様でオークション等に出品されているのもよく見かけるので、買ってはみたもののやはり許容できなかったひとも多いのだろう。

ショートスケールであり、ベースギターとしてはかなり小型軽量な部類に入るが、ボディの軽さが災いしてヘッド落ちが激しく、万人にとって弾きやすいとは限らない。マホガニー製スリムネックの強度を問題視する声もあり、なかなか気難しい子である。