携帯電話
2pt
携帯電話を、テクノロジーの進歩とイノベーション(社会的価値創出)という観点で論じてみる。
テクノロジー
これらの組み合わせ
- 伝送設備
- 半導体技術
- 液晶技術
- 小型実装技術(自動組立て)
- 組込みソフトウェア
- ビジネステクノロジー・・・課金ビジネスを支えるビジネスモデルとそのためのテクノロジー。筆者が勝手に名付けた。もっとよい言い方があるかもしれない。
テクノロジーベンダー
- フィンランド・ノキアは自社の伝送設備(GSM方式)をデファクトにした。
- 米クアルコムは自社の通信半導体技術をデファクトにした。
- 組込みソフトウェアのうちのOS部分は、Apple iPhoneや、Google Androidがしのぎを削る。
- ビジネステクノロジー:NTT Docomoら日本陣営が圧倒的に先行していたが(imodeによる課金ビジネスの登場は1999年)、Apple iPhoneによって世界をひっくり返された。
イノベーション(社会的価値創出)
携帯電話とは、若者のデートのあり方、社会形態そのものを根本的に変えた20世紀末の最大のイノベーションであった。
携帯電話のない時代のデート
申込方法1 学校生活内
学生時代のデートの申込みは、学校生活内で行われる。まだ意中の相手が友達に知れ渡っていない時、人知れず誘うタイミングが難しかった。
申込方法2 固定電話
相手の家にかける。本人が直接出てくれればいいが、家族の誰かが出た場合、次のような切り出し方がされる。
「もしもし、XXXと申します(汗)。わ、わ、Y子さんお願いします(緊張)。」
電話に出たのがお父さんだと、最高に緊張する。
待ち合せ
もちろん時間・場所厳守である。
大変な時代だった
異性に会うことは、今日と比べれば、大変な困難を乗り越えなければならなかった(大げさか?)。乗り越えて得られた果実(精神的満足度)は大きかった。
携帯電話のある時代のデート
ステップ
- 1)とにかく知り合ったらまず携帯電話番号または携帯メールアドレスをきく。
- 2)携帯電話を通じ、直接本人と連絡し、だいたいの日時・場所を約束
- 3)待ち合わせ時間が近づいたら「今どこ?」と聞きながら、詳細な時間・場所を決める。
デートの申込みも軽薄短小に
とりあえず携帯電話・携帯メールで申し込む。
他人(相手の家族や友達)の目を気にする必要がなくなり、煩わしいプロセスも不要になった。しかし、超えるべき障壁が減った分、障壁を乗り越える能力も落ちた。それは、男子の草食化であり、行動力の減衰である。それが今日の恋愛格差を産み、しいては非婚率上昇の遠因になっているのではないだろうか?
行動すれば学習できる。行動しなければ永久に学習できない。
ここで言いたい結論は、「男子たるもの、どんどん女性を誘え」
携帯電話によって、社会は転換してしまったのである。社会の構成要素である男女の出会い方が変わってしまったのである。
世界最先端
携帯電話を用いた「とりあえずデート」は日本が誇る世界最先端の社会的価値である。公共交通機関が不可欠である。
参照:「世界最先端都市」
社会転換の変遷
1995年~1996年:大学生が携帯電話を持つようになったのは1995年~1996年ごろと思われる。1997年の新卒入社は最初から携帯電話を持っていた。
2000年前後:高校生まで携帯電話は普及していたと思われる。固定電話から携帯電話への過渡期の1990年代半ば、ポケベルが流行った。公衆電話は早打ちする高校生に占有されていた。
コメントはまだありません