クレジットカード王国の最新の日記
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それが、わかっているね

「それが、わかっているね。そんなら、よろしい。第一時計は、そのままにしておいて、さて次に、第二の柱時計をうごかすのさ」
「はあ、――」
「分針を、十二のところへもっていくと、第二の柱時計は、鳴りだした。ぼうん、ぼうん、ぼうん、ぼうん、ぼうん、ほら五時だ。五時をうったのだ」
「えっ、五時?」
「そうだ。第二の時計は、五時から鳴りだしたのだ。次は六時、七時……とうっていった。そういうわけだから、四時をうつ音は、聞えなかったんだ」
「ええっ、何ですって」
「つまり、千二君、実際は、二つの時計が鳴ったのだ。それを、君が一つの時計が鳴ったように思ったから、四時がぬけたと思ったんだ」
「ははあ、なるほど」
 ああ、ついに、柱時計の秘密はとけた。
 千二少年は、新田先生のあたまの働きに、すっかり感心してしまった。
(四時をうたないわけは、一つの柱時計が三時をうって終り、次にもう一つの時計が、五時からうちはじめるからだ)
 なるほど、二つの柱時計を、そういう風に鳴らせば、四時のところでは、鳴らないわけだ。先生は、実にすばらしい謎をといたものだ。

http://www.sagi110.jp/< 社債 とは - コトバンク

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