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この二組は同じ海流の上に乗って

 この二組は同じ海流の上に乗って、同じ方向に流されていたのである。
 玉太郎は、どうにかして早くラツール氏といっしょになりたいと思った。しかしその間にはかなりの距離があり、そして身体は疲れきっていた。とてもその距離を泳ぎきることは、玉太郎には出来なかったし、ラツール氏にしてもどうように出来ないことだろうと思い、失望した。
 どこまで、海流がこの二組を同じ方向へ流してくれるか安心はならなかった。
 三百六十度、どこを見まわしても海と空と積乱雲の群像ばかりで、船影はおろか、島影一つ見えない。
 熱帯の太陽は積乱雲の上をぬけると、にわかにじりじりと暑さをくわえて肌を焼きつける。ふしぎに生命をひろって一夜は明けはなれたが、これから先、いつまでつづく命やら。玉太郎は水筒一つ、缶詰一つもちあわせていない。前途を考えると。暗澹たるものであった。

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