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熱帯の太陽
腹もへった。
のどもかわいて、からからだ。
だが、それよりも、もっとこらえ切れないのは暑さだ。
「かげがほしいね。何かかげをつくるようなものはないかしら」
玉太郎は、自分のまわりを見まわした。
もちろん帆布もない。板片もない。
だが、なんとかしてかげをつくりたい。どうすればいいだろうかと、玉太郎は一生けんめいに考えた。
そのうちに、彼は一つの工夫を考えついた。それは、今筏にしている扉の一部に、うすい板を使っているところがある。それを小刀で切りぬけば板片ができる。それでかげをつくろうと思った。
彼はすぐ仕事にかかった。ジャック・ナイフを腰にさげていて、いいことをしたと思った。仕事にかかると、ポチがとんで来て、じゃれつく。
扉は格子型になっている。だから周囲と、中央を通る縦横には、厚い木材を使ってあるが、それらにはさまれた四カ所には、うすい板が張ってある。ナイフでごしごしと切っていった。
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