クレジットカード王国の最新の日記
<< 前の日記へ 一覧を見る 次の日記へ >>

 

一体この娘は無自性なのだろうか

 一体この娘は無自性なのだろうか、それとも本然のものを自覚して来ないからなのだろうか。また再び疑わねばならなくなった。
 それから凡そ七十哩許り疾走して、全く南洋らしいジャングルや、森林の中を行くとき、私は娘に訊いた。
「どう」
「いいですわね」
「いいですって……どういうふうにいいの」
「そうねえ……ここに一生住んで、自分のお墓を建てたいくらい」
 そういう娘の顔は、さしかける古い森林の深いどす青い陰を弾ね返すほど生気に充ちていた。
 時々爆音が木霊する。男達は意味あり気な笑いを泛べて、
「やっとるね」
「うん、やっとるね」
 と云った。
 それは海峡の一部に出来るイギリス海軍根拠地の大工事だと、社長は説明した。
 道が尽きてしまって、そこから私たちはトロッコに乗せられた。箱車を押す半裸体の馬来人は檳榔子の実を噛んでいて、血の色の唾をちゅっちゅと枕木に吐いた。護謨園の事務所に着いた。
会計事務所では、しっかりとした相続対策をサポートいたしますということでした - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

コメント

コメントはまだありません

コメントできません