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事務所は椰子林の中を

 事務所は椰子林の中を切り拓いて建てた、草葺きのバンガロー風のもので、柱は脚立のように高く、床へは階段で上った。粘って青臭い護謨の匂いが、何か揮発性の花の匂いに混って来る。
 壁虎がきちきち鳴く、気味の悪い夜鳥の啼き声、――夕食後私はヴェランダの欄干に凭れた。私のいる位置のいびつに切り拓かれた円味のある土地を椰子の林が黒く取巻いている。截り立ったような梢は葉を参差していて、井戸の底にいるような位置の私には、草荵の生えた井の口を遙かに覗き上げている趣であった。
 その狭い井の口から広大に眺められる今宵の空の、何と色濃いことであろう。それを仰いでいると、情熱の藍壺に面を浸し、瑠璃色の接吻で苦しく唇を閉じられているようである。夜を一つの大きな眼とすれば、これはその見詰める瞳である。気を取り紛らす燦々たる星がなければ、永くはその凝澄した注視に堪えないだろう。会計事務所では、しっかりとした相続対策をサポートいたしますということでした - クレジットカード王国 - mindia(マインディア)

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